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財務デューデリジェンス(財務DD)によるM&Aのリスクマネジメントが成功のポイント。
大阪・東京の税理士法人MFMグループ(四大監査法人出身の公認会計士在籍)

デューデリジェンスとは何か

デューデリジェンスは、英語では「Due Diligence」と書きます。
「当然の・正当な」という意味を持つ「Due」と、「努力・精励」という意味を持つ「Diligence」を組み合わせた言葉で、直訳すると「当然の努力」を意味します。
英語の発音をそのままカタカナにすると「デュー・ディリジェンス」となるため、そのように表記されることもあります。

日本語に直訳しただけでは理解しにくいのですが、一般的には、企業買収(M&A)(Mergers and Acquisitions)の前に行う買収対象企業の調査のことを意味します。
企業買収の意思決定を行うために行う当然の努力(調査)と解釈すると理解しやすいかもしれません。

「デューデリジェンス」は少し長いので、口頭や文書では「デューデリ」や「DD」と言うこともあります。

デューデリジェンスの起源と歴史

デューデリジェンスの起源は、アメリカにおいて不動産の売買をする際に、不動産の瑕疵の存在など様々なリスクを検討するために実施されたことが始まりといわれています。
そして、その考え方が企業の売買であるM&Aの場面においても適用されるようになっていきました。

日本においては、単にデューデリジェンスと言われる場合、一般的には財務デューデリジェンス(財務DD)を意味してることが多くなっています。
Wikipediaのデューデリジェンスの説明でも「法務、財務、ビジネス、人事、環境といったさまざまな観点から調査する。不動産に対しては、土地建物の状況を把握する不動産状況調査、権利関係を把握する法的調査に加えてマーケティングを把握する経済調査を行い、対象敷地の鑑定評価の前提条件とする。」とあり、不動産デューデリジェンスは派生的なものであるイメージを持たれている方も多いかもしれません。
しかし、その起源から見ると、不動産デューデリジェンスこそが本来のデューデリジェンスということのようです。

近年では、ITの重要性が増してきたことからITデューデリジェンスが行われるようになり、また環境意識の高まりから環境デューデリジェンスといったデューデリジェンスも行われるようになりました。

デューデリジェンスの種類

デューデリジェンスは、M&Aの買収対象企業を財務・法務・税務・人事労務・IT・ビジネス・不動産・環境といった様々な側面から評価する必要があります。
評価するする範囲は、買収対象企業の規模や内容により異なります。
財務・法務・税務・人事労務は一般的にはどの企業でも必要ですが、アナログな会社ではITデューデリジェンスが必要ないことがありますし、不動産を持っていない会社では不動産デューデリジェンスは必要ありません。

M&Aのデューデリジェンスには下記の種類があります。
□ 財務(ファイナンシャル)デューデリジェンス
□ 法務(リーガル)デューデリジェンス
□ 税務デューデリジェンス
□ 人事労務デューデリジェンス
□ ITデューデリジェンス
□ 事業(ビジネス)デューデリジェンス
□ 不動産デューデリジェンス
□ 環境デューデリジェンス

コラム「デューデリジェンスの種類と必要な資格」

M&Aのデューデリジェンスは誰が実施するのか

一般的には、M&Aのデューデリジェンスは買手企業からの依頼によって専門家が行います。
すべて専門家が行わなければならないという必要はありませんが、デューデリジェンスは買収対象企業を財務・法務・税務・人事労務・IT・ビジネス・不動産・環境といった様々な側面から評価する必要があるため、M&Aにおける各分野の専門家の知識・経験が必要になります。
具体的には、公認会計士(監査法人)・弁護士(弁護士法人)・税理士(税理士法人)・M&Aコンサルティング会社などが行います。

もちろんM&Aの買手企業の経理や人事といった管理部門のスタッフと連携を取りながらデューデリジェンスを行う方法が採用ことはよくあります。
いくら専門家がデューデリジェンスを行ったところで、最終的な経営判断や経営責任は買手企業の経営者に求められるからです。

M&Aは買収対象企業に価値があると思うから実行するものなので、その価値(及びリスク)を正しく評価する上で、財務面と法務面のデューデリジェンスが特に重要になります。

リスクの低い小規模なM&Aでは、しっかりとしたデューデリジェンスを実施せずに、両社の顧問税理士の同席の上、インタビューを行うなどの簡易的な方法で済ませることもあるようです。
しかし、上場企業は監査法人の監査を受けており、その財務諸表は一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(GAAP)に準拠して適正に表示されているというお墨付きをもらっていますが、非上場企業では、そのような財務諸表監査制度はないためほとんどの企業で何らかの簿外負債や隠れ債務が存在しているのが実情です。
コラム「M&Aにおいてデューデリジェンスは必要なのか」
コラム「経理担当者から見たM&Aのデューデリジェンスの流れと注意点」

M&Aのデューデリジェンスの費用の相場

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先ほど述べたように、デューデリジェンスは、買収対象企業を財務・法務・税務・人事労務・IT・ビジネス・不動産・環境といった様々な側面から評価するため、M&Aにおける各分野の専門家が必要になります。
依頼の内容も高度な知識や経験を要するため、その知識や経験のレベルにもよりますが、費用も高額になってしまいます。
かといって、コストを重視してまったくデューデリジェンスを実施しなかったり知識やM&Aの経験に乏しい専門家に依頼すると、後々もっと大変なことになってしまいます。

同じ業種の専門家であっても、各専門家で自社の報酬料金体系は異なります。
そのためM&Aのデューデリジェンス費用はケースバイケースです。

すべての分野の調査を専門家に依頼するとなると、莫大な費用が必要になります。
専門家に調査してもらわなければならない重要な部分はどこなのかを把握し、優先順位を付け、予算の範囲内で専門家にデューデリジェンスを依頼するのがベストです。
M&Aは、その価値(及びリスク)を正しく評価する必要があるため、一般的には、財務面と法務面のデューデリジェンスが特に重要になります。
主要なデューデリジェンスである財務と法務について、費用の相場を見ていきます。

公認会計士(監査法人)への財務デューデリジェンス(財務DD)の報酬料金の相場

財務デューデリジェンス(財務DD)とは、M&Aにおいて買収対象企業又は買収対象事業の適正な財務状態・収益性を把握するための手続であり、貸借対照表や損益計算といった財務諸表等を検討することにより行われます。

一般的には、M&Aの財務デューデリジェンスの費用の相場は1時間当たり2〜5万円となっていることが多いようです。
財務DDの報酬料金を公表している公認会計士(監査法人)はほとんどありませんが、「公認会計士 時間単価」「公認会計士 タイムチャージ」などで検索すると公認会計士の概ねの報酬料金の相場が分かると思います。
ただし、財務DDは専門性が高い分野であるため、一般的にはその料金より少し高くなります。
財務DDは、どれだけ小さなM&A案件であっても5人日(1人×5日)程度はかかるため、1日7~8時間で計算すると最低でも70万円~200万円くらいの費用がかかると思っておいた方がよいでしょう。
中小企業のM&Aであってもそれなりに規模が大きな会社であったり中身が複雑な会社であれば、場合によっては500万円近くもの費用がかかることもあります。

M&Aは成功すればリターンが大きいですがその分リスクも大きくなっています。
財務デューデリジェンスの費用の相場が高いと思われる方も多いと思いますが、それだけリスクの高い買い物をしているということの裏返しでもあるので、必要なコストと割り切って考えるしかないかもしれません。

弊社に問い合わせを頂き財務デューデリジェンスを実施したある案件では、最初に問い合わせた専門家からの見積額が2,000万円だったという話しを聞いたことがあります。
そんな多額の費用はかけれないということで問い合わせを頂き、弊社で財務デューデリジェンスを実施したところ10分の1以下の価格になりました。
自社で専門家を探す場合、最初に聞く相手を間違えるととんでもなく高い見積りが出てくることがあります。
税理士法人MFMでは、簡易的な財務DDや税務DDを20万円~で実施しています。
サービス案内「簡易財務デューデリジェンス・簡易税務デューデリジェンス」

財務デューデリジェンスの費用は、一つの要因により決定するのではなく以下のような複数の要因による影響を受けます。

買収対象会社の規模

買収対象会社の規模によって財務デューデリジェンスの料金が変わります。
もし買収対象会社が子会社を持っており、その子会社も含めてM&Aをするのであれば、2社分の財務DDの手続を実施する必要があります。
小さなM&A案件であれば先ほど述べたように5人日程度で終わる場合もありますが、中小企業でも規模が大きくなり20人日の作業が必要であれば4倍の費用がかかることになります。

依頼する業務の範囲

どの業務を依頼するかによっても財務デューデリジェンスの料金が変わってきます。
M&Aを実施する際に、会計・税務の専門家が携わる場面としては、M&Aのスキームの検討、財務DD、株価評価(バリュエーション)などがあります。
すべての場面で公認会計士に依頼すると料金は当然高くなりますし、財務DDの業務だけ依頼すると安くなります。

誰に依頼するか

財務デューデリジェンスを大手監査法人に依頼するのか個人の公認会計士に依頼するのかでも、料金が変わってきます。
大手監査法人は、人材が豊富で一定以上の品質管理ができているため安心して任せることができる反面、単価が高めで、また細かな手続の実施や上司のチェックの実施が社内で要求されるため長い作業時間が必要となり料金が高くなります。
一方で、個人の公認会計士に依頼すると、単価が低めで作業時間も短くなるため料金は安くなりますが、品質は人によりばらつきがあるでしょう。

買収対象会社の業種

買収対象会社が営んでいる業種によっても財務デューデリジェンスの料金は異なります。
製造業の財務DDと不動産業の財務DDを比較すると、一般的に、製造業は確認する必要のある資産や契約書類がかなり多くそれに比例して多くの時間が必要となりますが、不動産業は確認する必要のある資産や契約書類が少ない傾向にあることから料金は安くなります。
ただし、不動産業の財務DDは他の業種のDDと比較して軽減されていますが、しっかりと物件の調査を実施するためには不動産DDが欠かせません。

報酬体系

報酬体系には様々な種類があり、固定、変動(時間)、変動(日当)、固定+変動などがあります。
基本的には各専門家で定められてい報酬体系によることになりますが、専門家との協議により決まる部分もあるでしょう。
出張に必要な旅費交通費については、別途実費精算としているケースが多いように思います。

弁護士(弁護士法人)への法務(リーガル)デューデリジェンスの報酬料金の相場

法務デューデリジェンス(法務DD)とは、M&Aにおいて買収対象企業又は買収対象事業の法律上のリスクを把握するための手続であり、各種契約書などを検討することにより行われます。

一般的には、M&Aの法務DDの費用の相場も1時間当たり2〜5万円となっていることが多いようです。
法務DDの報酬料金を公表している弁護士(弁護士法人)はほとんどありませんが、「弁護士 時間単価」や「弁護士 タイムチャージ」などで検索すると弁護士の概ねの報酬料金の相場が分かると思います。
法務DDも、小さなM&A案件であっても5人日(1人×5日)程度はかかるため、1日7~8時間で計算すると最低でも70万円~200万円くらいの費用がかかると思っておいた方がよいでしょう。
買収対象会社の規模・内容などにもよりますが、確認すべき契約書や紛争事件が多ければ財務DDと同じくらいの費用がかかることがあります。
また、報酬体系も財務DDと同様に、固定、変動(時間)、変動(日当)、固定+変動など、様々な種類があります。
こちらも基本的には各専門家で定められてい報酬体系によることになりますが、専門家との協議により決まる部分もあるでしょう。

金融機関、仲介会社の方へ

税理士法人MFMでは、金融機関や仲介会社の担当者の方からの財務デューデリジェンス(財務DD)のご相談を無料で受け付けています。買収対象会社の業種により気を付けるべき勘定科目や取引が異なるため、お気軽にご相談ください。

会計事務所、税理士事務所の方へ

初めてM&Aの調査業務をされる会計事務所様や税理士事務所様からのご相談も承っています。クライアント様の情報を頂くことなく財務デューデリジェンスや企業調査を実施させて頂きますので、同業ですが安心してお任せ頂けると思います。決算書や申告書のチェックは先生が実施されて足りないと思われる部分だけお手伝いさせて頂く方法など、柔軟的な対応も可能です。

税理士法人MFMの財務デューデリジェンス・税務デューデリジェンス

M&Aの調査である財務デューデリジェンス(財務DD)は財務諸表監査の知識と経験があり、財務的なリスクを見抜ける能力に長けている公認会計士に依頼する方が安心です。
税務デューデリジェンス(税務DD)は税の専門家である税理士に依頼するのがよいでしょう。
税理士法人MFMではM&Aのデューデリジェンスの経験が豊富な公認会計士・税理士の有資格者によるデューデリジェンスを行っています。
どれだけ小さい案件のM&Aであっても四大監査法人出身の公認会計士がデューデリジェンス業務を監督しているため、安心してお任せ頂けます。

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公認会計士・税理士 松浦