【事業再構築補助金】採択率を上げる7つの方法

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事業再構築補助金の採択率は、事業再構築補助金のホームページの採択結果から算出することができますが、少し工夫をすると採択率を大きく上げることができる場合があります。
このコラムでは、事業再構築補助金の採択率を上げるための7つの方法・コツを紹介しています。

事業再構築補助金の実際の採択率

まずは事業再構築補助金の実際の採択率を見てみましょう。

公募回応募者数採択者数採択率
第1回特別枠5,1812,86655.3%
通常枠他17,0505,15030.2%
合計22,2318,01636.1%
第2回特別枠5,8843,91966.6%
通常枠他14,9165,41736.3%
合計20,8009,33644.9%
第3回特別枠4,3512,90166.7%
最低賃金枠46937580.0%
通常枠他15,4875,74537.1%
合計20,3079,02144.4%
第4回特別枠4,2172,80666.5%
最低賃金枠39129074.2%
通常枠他15,0655,71437.9%
合計19,6738,81044.8%
第5回特別枠4,5093,00666.7%
最低賃金枠30624379.4%
通常枠他16,2206,45839.8%
合計21,0359,70746.1%
第6回回復・再生応援枠2,9331,95466.6%
最低賃金枠25221685.7%
通常枠他12,1555,49945.2%
合計15,3407,66950.0%

事業再構築補助金の採択率を上げる方法

1.従業員がおり事業実態がしっかりとある組織で申請する

個人事業主でもあり法人も持っているため、個人でも法人でも申請することができるという方もおられます。
その場合、ほとんど稼働していないような会社や資産管理会社ではなく、従業員がおり事業実態がしっかりとある組織で申請する方が一般的には採択率が上がると考えられます。
その理由はいくつかあります。

自社の強みを活かしやすい

現在の公的な資料には明文がありませんが、「自社の強みを活かして事業再構築を行う」という考え方が基本にあります。
例えば、強味・弱み、機会・脅威(SWOT分析)を記載しなければならないのはそれが理由です。
ほとんど稼働していないような会社や資産管理会社では、事業計画でアピールできる自社の強みをあまり書くことができず、事業計画が弱くなりがちです。
事業実態がしっかりとある組織であれば、強味・弱み、機会・脅威を事業計画でしっかりと書くことができるため、よい事業計画を策定できます。

守るべき雇用がある

守るべき雇用があるというのも大きなアピールポイントです。
従業員がいれば新事業実施のための体制を整えやすく、また人材のリソースの最適化も図りやすくなるため、審査項目でポイントを取りやすくなります。

2.回復・再生応援枠で申請する

回復・再生応援枠(旧、緊急事態宣言特別枠)に該当すると大きなメリットがあります。
・回復・再生応援枠に該当すると加点項目に該当する
・回復・再生応援枠で不採択となったとしても、通常枠で再審査される

ただし、回復・再生応援枠は補助金額が小さくなっているため、採択率を上げるかわりに補助金額を多少犠牲にするという覚悟が必要な場合があります。
コラム「回復・再生応援枠はメリットだけでなくデメリットにも注意!」

3.最低賃金枠で申請する

最低賃金枠に該当すると特別枠以上の大きなメリットがあります。

「最低賃金枠」は、加点措置を行い、回復・再生応援枠に比べて採択率において優遇されます。

ただし、最低賃金枠も補助金額が小さくなっているため、採択率を上げるかわりに補助金額を多少犠牲にするという覚悟が必要な場合があります。
コラム「【事業再構築補助金】最低賃金枠は目玉枠!」

4.事業計画の書き方・ポイントを押さえる

事業再構築補助金の事業計画は枚数や記載項目が決まっており、また事業再構築補助金の趣旨や関連する法令に違反するようなNGワードを書いてしまうと一発レッドカードです。
採択率を上げるためには事業計画の書き方・ポイントを抑える必要があります。
コラム「事業再構築補助金の事業計画の書き方・ポイントを解説!」

5.審査項目・加点項目を押さえる

事業再構築補助金の審査はポイント制です。
このポイント制である審査でよいポイントを取るためには、記載漏れがあってはなりませんし、記載した審査項目についてより高いポイントを狙う必要があります。
事業再構築補助金の公募要領において明らかにされている審査項目・加点項目を抑えることにより採択率を上げることができます。
公募要領では審査に関する記載が散らばって存在していますが、コラム「【事業再構築補助金】審査項目・加点項目の総まとめ」においてまとめています。

6.添付書類漏れがないか再チェックする

残念ながら書類不備等により申請要件を満たせなかった申請が一定程度存在しています。
申請時のミスがなければ採択されていたという事業計画も含まれているはずです。
申請時には添付資料漏れがないか再チェックしましょう。

7.余裕を持って申請する

余裕を持って早目に申請することができれば、万が一の添付書類漏れを防ぐことができます。
ただし、事業計画が未完成のまま慌てて申請してしまうと採択率が上がるどころが逆に下がってしまいますので、無理に早く申請する必要はありません。
第3回公募においては下記の取り扱いがされており事務局が添付書類漏れを事前にチェックしてくれていましたが、現在ではそのような取り扱いは無くなってしまいました。。

9月10日(金)23:59までに受け付けた申請に関しては、事務局で添付書類等の確認を行います。
不備が確認された場合には、原則として9月16日(木)までに、申請者に対して差戻しのご連絡をさせて頂きます。
差戻しをされた申請に関しては、内容を見直しの上、第3回公募の締切り(9月21日(火)18:00)までに、再度申請していただくことが可能です。
なお、添付書類等に不備が確認されなかった申請に関しては、ご連絡はいたしません。

事業再構築補助金の採択率予想

採択率、倍率はどのように決定されるか

事業再構築補助金の採択率は、採択会社数と応募会社数で決まります。
分子である採択会社数が多ければ採択率が上がります(倍率は下がります)し、分母である応募会社数が多ければ採択率は下がります(倍率は上がります)。

採択率=採択会社数÷応募会社数

倍率=応募会社数÷採択会社数

予算額

事業再構築補助金は予算額は当初予算額1兆1,485億円、追加予算額6,123億円となっており、他の補助金と比較してかなり大きな予算が割り当てられているが特徴です。
どれだけ魅力的な内容の補助金であっても、予算額が低ければ採択される会社数が少なく(採択率が低く)なり、応募に費やした時間が無駄に終わってしまうというケースが多くなってしまいます。
この点、事業再構築補助金は予算額がかなり大きいことから、採用される会社が多く(採択率が高く)なります。
この当初予算額の1兆1,485億円ですが、事務局の運営費が約420億円となっているため、実際に中小企業等に交付される補助金は約1兆1,000億円となります。

補助金額・補助率

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採択会社数

企業がいくらの投資を行うかによって申請する補助金額が決まり、最低額の100万円で申請する会社もあれば最高額の1億円で事業再構築補助金を申請する企業もあるでしょう。
事務局募集要領においては、間接補助事業費の採択件数は55,000件程度となっています。

予算1兆1,000億円÷採択会社数55,000件=1件当たりの補助金額の平均約2,000万円

投資額3,000万円×補助率2/3=補助金額2,000万円となるため、1件当たりの投資額が大きいことが想定されています。
回復・再生応援枠(旧、特別枠)の補助金額は最大でも1,500万円であるため、実際の通常枠の1件当たりの補助金額の平均はもっと高くなるでしょう。
経済産業省のリーフレットに記載があるように「思い切った」事業再構築を行わなければ採択は難しいのかもしれません。

申請会社数

新型コロナウイルスの影響により業績が上がった会社も中にはあるでしょうが、業績が下がってしまった企業の方が多くなっています。
「2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3カ⽉の合計売上⾼が、コロナ以前の同3カ⽉の合計売上⾼と⽐較して10%以上減少している中⼩企業等」という対象要件がありますが、売上高減少が10%となっておりまた任意の3ヶ月を選択できることからクリアすべき要件のハードルが低くなっており、多くの企業が申請の対象となっています。

中小企業庁の中小企業白書・小規模企業白書(2020年版)では、2016年の中小企業の数は358万者でした。
2017年以降の中小企業者数は公表されていませんが、中小企業の数は年々減少していることから、2021年現在の中小企業の数は340万者程度になっていると思われます。
その中で売上高が10%以上減少している中小企業は、(かなりざっくりですが)6割程度と予想すると、この事業再構築補助金に申請することができる会社は約200万社になります。
「6割は多いのでは!?」と思う方がおられるかもしれませんが、「任意の3ヶ月」で「コロナ以前と比較」して「売上高が10%以上減少」という要件であるため、年間売上高がコロナ以前とあまり変わらない企業であっても選択する月によっては要件を満たすことが考えられるため、6割と仮定しています。
ただし、その中で業種や業態の転換のための「思い切った」投資を実施し事業再構築補助金の申請まで行う会社は少ないと考えられ、5%~10%程度の会社が申請すると仮定すると、約15万社が事業再構築補助金の申請をすると考えられます。

経済産業省の関係者によると、1次公募の申請の受付状況は「こちらの想定を超えている」とのことですので、申請数はかなり多いものと思われます。

中小企業者数340万社×売上高減少要件充足約6割=申請可能会社数約200万社
申請可能会社数200万社×申請率5%~10%=申請会社数約15万社

全体的な採択率予想、倍率予想

以上のことから、採択会社数約55,000万社に対して応募会社数が約15万社であるため、事業再構築補助金の全体的な採択率は37%程度になると思われます。
つまり、3社中1社程度の割合で採択され、採択率は1/3(倍率は3倍)くらいになるのではないかと予想しています。
難易度は少し高いですが、新型コロナウイルスにより打撃を受けてしまった中小企業には、大きな補助金を受給することができるチャンスです。

採択会社数約55,000社÷申請会社数15万社=採択率約37%

公募回による採択率の違い

第1回公募の採択率

新型コロナウイルスの感染拡大で中断してしまった「Go To 商店街」は当初の予算額は51億円でした。
「Go To 商店街」の場合では、先行募集(1次締切)は、申請件数37件に対して34件が採択されるという驚異的に高い採択率でした。
しかし、この高い採択率を見て多くの商店街が応募に殺到した結果、最終的には申請件数1,434件に対する採択件数は532件となり、最終合計の採択率はかなり低くなってしまいました。
予算額が51億円と小さかったのが採択率が大きく低下した主な原因のため、予算額が1兆1,485億円と大きい事業再構築補助金では採択率に大きな変動はないと考えられますが、一般的には第1回公募の方が採択率が高い傾向があります。

(参考)「Go To 商店街」における採択率

先行募集(1次締切)最終合計
申請件数37件1,434件
採択件数34件532件
採択率91.9%37.1%
第2回公募以降の採択率

9月2日に事業再構築補助金の第2回公募の結果が発表されました。申請会社数が減少するとともに採択率が上がるという、あまりない動きになっていました。
第2回公募~第4回公募のすべての公募において全体の採択率は44%台となっており、今後もこの傾向が続くかもしれません。

回復・再生応援枠の採択率

冒頭の事業再構築補助金の実際の採択率に記載しているように、旧「特別枠」の採択率は通常枠に比べて2倍近い採択率になっていました。

回復・再生応援枠には大きなメリットがありますが、補助金額が小さくなるというデメリットもあるので注意が必要です。
コラム「回復・再生応援枠はメリットだけでなくデメリットにも注意!」

採択率予想のまとめ

補助金は申請のタイミングによって採択率が変わりますし、事業再構築補助金の場合は回復・再生応援枠(旧、緊急事態宣言特別枠)に該当するのかしないのかによっても採択率が変わることになります。
早いタイミングで回復・再生応援枠で出した申請と、遅い時期に一般枠で出した申請では採択率にかなりの差があるでしょう。
いずれにしても採択率の点からは、申請の準備は早目にしておく方が良いです。

事業再構築補助金の申請サポート(事業計画の作成支援)

税理士法人MFMは、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)としてこれまで多くの事業計画の作成支援を行い、中小企業・中堅企業の経営を支援してきました。税理士法人MFMの第5回公募の採択率は4件中4件採択(採択率100%)と平均的な採択率を大きく上回っていました。採択されやすいポイントを押さえた事業再構築補助金の事業計画の作成を支援いたします。費用・料金も利用しやすい低価格になっています。

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