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サービス業の事業再構築補助金の活用の手引き

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、新事業分野への進出等の新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するための補助金です。
この事業再構築補助金は、2020年12月15日に閣議決定された令和2年度第3次補正予算に初めて盛り込まれた補助金です。
当初予算額1兆1,485億円、追加予算額6,123億円となっており、かなり大きな予算が割り当てられている補助金となっています。
正式名称は「中小企業等事業再構築促進事業」です。

事業再構築補助金を活用すべきサービス業

このような大きな予算が割り当てられた新しい補助金制度ができたのは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に他なりません。
新型コロナウイルスによる休業要請、時短要請、社会全体の自粛ムードにより飲食店を中心に大きな影響を受けたことから、サービス業全体が影響を受けています。
サービス業が新型コロナウイルスの影響により売上⾼が10%以上減少し事業再構築を計画している場合は、事業再構築補助金を申請し、中小企業庁が準備してくれている補助金制度をしっかりと活用されることをおすすめします。
このコラムでは、サービス業を営む事業者が事業再構築補助金を申請する場合に満たすべき要件や、具体的にどのような場面で活用できるかについて説明しています。

サービス案内「事業再構築補助金の申請サポート(事業計画の作成支援)」

サービス業の採択事例

第1回公募の特別枠で採択されたサービス業の事業計画名をいくつか抜粋しました(計画名は一部省略しています)。
・地域貢献型動画コンテンツの制作と配信
・オンライン家庭教師事業
・観光と街歩きの魅力探訪検索アプリの開発運営
・非接触型クリーニング店への転換
・最先端設備導入による配信サービスの開発
・抗菌加工処理リネン製品供給体制構築
・ドローン撮影を中心とした映像コンテンツ事業への新規参入
・ドローン教室の開校
・コロナ禍の3蜜警告ツール
・紙図面の電子化
・WEB版のお見合い、結婚相談所の開設
・人材マッチングサービス開発
・海洋散骨サービス業務

サービス業の公表事業計画書

第1回公募の採択事例のうち、公開の協力が得られた事業者の事業計画書が事業再構築補助金のホームページにおいて公表されていますので、事業計画作成のヒントになると思います。

公表事業計画書(第1回、サービス業、新分野展開)

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公表事業計画書(第1回、サービス業、新分野展開)

第1回、サービス業、業態転換

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公表事業計画書(第1回、サービス業、業態転換)

サービス業のリーフレットの活用イメージ

ヨガ教室のケース

室内での密を回避するため、新たにオンライン形式でのヨガ教室の運営を開始。

高齢者向けデイサービスのケース

一部事業を他社に譲渡。病院向けの給食、事務等の受託サービスを新規に開始。

上記の活用イメージはサービス業の一部の分類の例ですが、その他の分類に属するサービス業でも事業再構築補助金を申請することができます。

サービス業の事業再構築指針の手引きの例

飲食サービス業の事業転換の例

事業再構築指針の手引きでは、飲食サービス業の事業転換の例として、「日本料理店が、換気の徹底によりコロナの感染リスクが低いとされ、足元業績が好調な焼肉店を新たに開業し、3年間の事業計画期間終了時点において、焼肉事業の売上高構成比が、標準産業分類の細分類ベースで最も高い事業となる計画を策定している場合。」が挙げられています。

要件1.製品等の新規性要件要件①過去に製造等した実績がないこと過去に焼肉店を営んだことがなければ、要件を満たす。
要件②主要な設備等を変更すること焼肉店の開業に当たって、新たに卓上備え付けのロースター等の設備や内装の改装などが必要であり、その費用がかかる場合には、要件を満たす。
要件③定量的に性能又は効能が異なること(計測できる場合のみ)日本料理店と焼肉店では、提供する商品が異なり、定量的に性能又は効能を比較することが難しいことを示すことで要件を満たす。
要件2.市場の新規性要件既存製品等と新製品等の代替性が低いこと例えば、大衆向けとして沖縄料理を提供している日本料理店が、高価格帯の商品を提供する焼肉店を始める場合には、異なる顧客のニーズに応えるものであることから、焼肉屋により、日本料理屋の需要が代替され、売上高が減少するといった影響が見込まれないと考えられることを説明することで、要件を満たす。
要件3.売上高構成比要件3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品の属する事業が、売上高構成比の最も高い事業となる計画を策定すること「日本料理店」と「焼肉店」は、日本標準産業分類の細分類ベースで異なる分類がなされている。従って、3年間の事業計画期間終了時点において、焼肉事業の売上構成比が、日本標準産業分類細分類ベースで最も高くなる計画を策定していれば、要件を満たすこととなる。

事業転換の要件とあてはめ方については、コラム「事業再構築補助金の事業転換の3要件とあてはめ方」をご参照下さい。

サービス業の業態転換の例

事業再構築指針の手引きでは、サービス業の業態転換の例として、「ヨガ教室を経営していたところ、コロナの影響で顧客が激減し、売上げが低迷していることを受け、サービスの提供方法を変更すべく、店舗での営業を縮小し、オンラインサービスを新たに開始し、オンラインサービスの売上高が、3年間の事業計画期間終了後、総売上高の10%以上を占める計画を策定している場合。」が挙げられています。

要件1.製品方法や提供方法の新規性要件要件①過去に同じ方法で製造・提供した実績がないこと過去にオンラインサービスを営んだ実績がない場合には、要件を満たす。
要件②主要な設備を変更することオンラインサービスを開始するために、新たに配信機材等を導入する必要があり、その費用がかかる場合には、要件を満たす。
要件③定量的に性能又は効能が異なること(計測できる場合のみ)新たに導入した提供方法により、1回当たりの提供コスト等、生産効率がどの程度改善しているか等を示すことで要件を満たす。
要件2.製品の新規性要件(製造方法の変更の場合)、商品等の新規性要件又は設備撤去等要件(提供方法の変更の場合)要件①過去に製造した実績がないことヨガに加えて、新たにエアロビクスを始める場合、過去にエアロビクスのサービスを提供したことがなければ要件を満たす。
要件②主要な設備等を変更することヨガに加えて、新たにエアロビクスを始める場合、エアロビクスのサービスを新たに始めるために、新たに大型ミラーの設置や防音設備等が必要であり、その費用がかかる場合には、要件を満たす。
要件③定量的に性能又は効能が異なること(計測できる場合のみ)ヨガに加えて、新たにエアロビクスを始める場合、ヨガとエアロビクスは、異なるサービスであり、定量的に性能又は効能を比較することが難しいことを示すことで要件を満たす。
要件1⃣商品等の新規性要件又は設備撤去等要件店舗の営業を縮小するに際して、既存設備を撤去することを示すことで要件を満たす。
要件3.売上高10%要件3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製造方法や提供方法の売上高が総売上高の10%以上となる計画を策定すること3年間の事業計画期間終了時点において、オンラインサービスの売上高が、総売上高の10%以上となる計画を策定していることで要件を満たす。

業態転換の要件とあてはめ方については、コラム「事業再構築補助金の業態転換の3要件とあてはめ方」をご参照下さい。

サービス業の活用イメージ集の例

ビル管理・施設管理業の業種転換の例

オフィス等の施設で需要増が見込まれる空気清浄機の製造販売に新たに着手。

イベント運営会社の業態転換の例

コロナの感染リスクを抑えつつイベントを開催するために、ライブや展示会をバーチャル上で再現するサービスの提供を開始。

美容室の業態転換の例

店舗を縮小し、外出の機会を減らしたいと考える利用客や、移動が難しい高齢者向けに、訪問美容サービスを新たに開始。

サービス業の事業再構築補助金の対象会社

事業再構築補助金の対象会社は中小企業等とされており、「中小企業」に加えて「中堅企業」が対象となります。

中小企業

サービス業(ソフトウェア業又は情報処理サービス業、旅館業を除く)においては、下記の資本金基準と従業員基準のいずれかを満たす会社及び個人事業主が対象となります。

資本金の額又は出資の総額常時使用する従業員の数
5千万円以下100人以下

【注1】大企業の子会社等の、いわゆる「みなし大企業」は支援の対象外です。
【注2】確定している(申告済みの)直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える場合は、中小企業ではなく、中堅企業として支援の対象となります。
【注3】企業組合、協業組合、事業協同組合を含む「中小企業等経営強化法」第2条第1項が規定する「中小企業者」や、収益事業を行う等の要件を満たすNPO法人も支援の対象です。

※個人事業主(フリーランス)には資本金がないため、従業員基準のみで事業再構築補助金の対象者に該当するかどうかを判定することになります。

コラム「すぐに分かる!事業再構築補助金の中小企業者等の範囲」

中堅企業

以下に当てはまる法人を指します。詳細は公募要領を参照してください。
・中小企業基本法に定める中小企業者に該当しないこと。
・資本金の額又は出資の総額が10億円の未満の法人であること。
・資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、従業員数(常勤)が2,000人以下であること。

事業再構築補助金の対象要件

1. 2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3カ⽉の合計売上⾼が、コロナ以前の同3カ⽉の合計売上⾼と⽐較して10%以上減少している中⼩企業等。
2.事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等。
3.補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。

※認定支援機関とは、中小企業を巡る経営課題が多様化・複雑化する中、中小企業に対して専門性の高い支援を行うため、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を国が審査し認定した機関であり、正確な名称は「経営革新等支援機関」です。具体的には、税理士、公認会計士、弁護士、中小企業診断士等が認定支援機関となっています。税理士法人MFMは認定⽀援機関に認定されているため、申請サポート(事業計画の作成支援)により企業の経営を支援しています。
※補助金額が3,000万円を超える申請には金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加して策定する必要があります。
※「事業再構築指針」に沿った事業計画には、新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業転換、業種転換、事業再編、国内回帰の5つの類型があります。
※付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費

事業再構築補助金の補助金額・補助率

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事業再構築補助金の補助対象経費

事業再構築補助金の11の補助対象経費

事業再構築補助金の対象となる経費は下記の11項目です。
1.建物費
2.機械装置・システム構築費
3.技術導入費
4.専門家経費
5.運搬費
6.クラウドサービス利用費
7.外注費
8.知的財産権等関連経費
9.広告宣伝・販売促進費
10.研修費
11.廃業費

また、対象とならない補助対象外経費についても細かな規定が存在します。

補助対象経費の活用方法や補助対象外経費については、コラム「【事業再構築補助金】11の補助対象経費の上手な活用方法」に記載しています。

⾃社の強みや経営資源(ヒト/モノ等)を活かしつつ」事業再構築を行うことが一般的ですが、現状の設備やシステムのみでは事業再構築は困難である場合には新たな設備投資やシステム投資が必要となることがあるでしょう。
そして、現状よりも付加価値額を増加させる、又は従業員一人あたり付加価値額を高める投資を行う必要があることが成果目標に掲げられています。
人材投資については、従業員の人件費は補助対象経費とはならないことから、サービススタッフの人材獲得を実施したとしても事業再構築補助金の対象にはなりません。

サービス業の広告宣伝・販売促進

新分野展開・事業転換・業種転換により事業再構築を行う場合、新規市場に参入することになります。
ほとんどの場合はすでに多くの既存業者がおり、既存業者はこれまでの実績・信頼・ブランド力などがあるため、広告宣伝・販売促進活動を行わなければ新規市場で生き残っていくことができません。
逆に言うと、広告宣伝・販売促進活動をしっかり行えば、新規市場でどんどん売上を上げていくことが可能です。

サービス業の事業再構築補助金の申請サポート(事業計画の作成支援)

税理士法人MFMは、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)としてこれまで多くの事業計画の作成支援を行い、中小企業・中堅企業の経営を支援してきました。税理士法人MFMの第5回公募の採択率は4件中4件採択(採択率100%)と平均的な採択率を大きく上回っていました。採択されやすいポイントを押さえた事業再構築補助金の事業計画の作成を支援いたします。費用・料金も利用しやすい低価格になっています。

認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の名称税理士法人MFM
大阪事務所大阪府大阪市北区豊崎三丁目17番29号
TEL:06-6371-1768
サービス案内、費用・料金案内事業再構築補助金の申請サポート(事業計画の作成支援)
認定日2018年12月21日
具体的相談内容等創業等支援、事業計画作成支援、経営改善、事業承継、M&A、事業再生、情報化戦略、販売開拓・マーケティング、マッチング、人材育成、人事・労務、海外展開等、BCP(事業継続計画)作成支援
M&Aの財務デューデリジェンス(財務DD)

税理士法人MFMグループは大阪、東京を拠点としていますが、関西(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県)や関東(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県)のみならず、お電話、オンライン、Web会議(Zoomなど)で全国の事業再構築補助金の申請サポート(事業計画の作成支援)が可能です。