融資に携わっているとこの2年間くらいで「事業性評価」という言葉を良く聞くようになりました。「事業性評価」を分かりやすく言うと、事業の成長性やリスクを見て金融機関が融資を判断することです。金融庁が事業性評価を推し進めているのでこの流れは今のところ変わりません。 今までの事業性評価の流れをまとめてみました。

まず「平成25 事務年度 金融モニタリング基本方針」(平成25年9月金融庁公表)において、初めて問題提起がされました。 具体的に資料を見ると、「担保・保証に過度に依存しない適切なリスクテイクを阻害している要因は何か、事業の期待収益とリスクに対する評価能力(いわゆる「目利き能力」)を向上させるためにどのような取組みを行っているか、事業について知見を持った人材の確保と育成の取組みはどうか、といった商業銀行経営の本質的課題の改善につながる議論を、金融機関との間で深めていく。」 とあり、まだ議論が始まった段階です。

次に「日本再興戦略2014」(平成26年6月閣議決定)でその方向性が確かなものになります。 資料を見ると、「金融機関が企業の財務面だけでなく、企業の持続可能性を含む事業性を重視した融資」 とあり、政府としてもその方向で行くことが確認できます。

そして「平成26事務年度 金融モニタリング基本方針」(平成26年9月金融庁公表)において、 「金融機関は、財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、借り手企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価し(「事業性評価」)、融資や助言を行い、企業や産業の成長を支援していくことが求められる」 とあり、ここで初めて「事業性評価」という言葉が出来上がります。

さらに翌年の「平成27事務年度 金融行政方針」(平成27年9月金融庁公表)でも、「事業性評価」という文字が多く使われるようになりましたし、少し前に出された「平成28事務年度 金融行政方針」(平成28年10月金融庁公表) でも「事業性評価」や「事業」という言葉が多く使われています。

平成29年も事業性評価を推進していく方向に変わりはありませんので、借入が必要な企業は引き続き継続して情報を入手していく必要があると思います。

大阪・東京の税理士法人MFMグループ