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寡婦(寡夫)とは

寡婦(寡夫)は所得税・住民税の場合と年金の場合でそれぞれ恩恵を受けることができる対象者が異なりますが、残された配偶者のことを意味します。
読み方は「かふ」です。
漢字から分かるように、寡婦は女性に対して用いる用語で、寡夫は男性に対して用いる用語です。

所得税法上の寡婦(寡夫)

寡婦(寡夫)は、所得税法2条に規定されています。
寡婦と寡夫では少し要件が異なり、寡婦は2パターンありますが寡夫は1パターンのみとなっています。
女性の方が要件が緩めで、男性の方が要件が厳しめになっています。

寡婦

1つ目のパターンは、夫と死別もしくは離婚した後結婚をしていない方、又は夫が生死不明である方で、扶養親族又は合計所得金額が38万円(2020年分以後、48万円)以下の生計を一にする子を有する方です。

離婚をされたシングルマザーの方はこのパターンに該当します。
ただし、後ほど触れますが、未婚の母は残念ながら該当しません。
また、子供はいてなくても、父母などを扶養している場合も該当します。

一般的に、控除対象となる扶養親族は年齢が16歳以上なのですが、寡婦の場合の「扶養親族」や「生計を一にする子」は何歳であっても対象となります。

2つ目のパターンは、夫と死別した後結婚をしていない方、又は夫が生死不明である方で、本人の合計所得金額が500万円以下の方です。

寡婦控除は27万円となっています。
いつまで控除できるという期限は特になく、要件を満たす限り寡婦控除を受けることができます。

寡夫

妻と死別もしくは離婚した後結婚をしていない方、又は妻が生死不明である方で、合計所得金額が38万円(2020年分以後、48万円)以下の生計を一にする子を有し、かつ、本人の合計所得金額が500万円以下の方です。

寡夫控除は27万円となっています。
こちらもいつまで控除できるという期限は特になく、要件を満たす限り寡夫控除を受けることができます。

特別の寡婦

また、女性の場合のみ「特別の寡婦」と言われる上乗せ控除の制度があります。
特別の寡婦とは、夫と死別もしくは離婚した後結婚をしていない方、又は夫が生死不明である方で、合計所得金額が38万円(2020年分以後、48万円)以下の生計を一にする子を有し、かつ、本人の合計所得金額が500万円以下の方です。

特別の寡婦控除は35万円となっています。

女性であればこの「特別の寡婦」に該当する場合でも、男性であれば「寡夫」になってしまっています。

寡婦(寡夫)の判定

寡婦も寡夫もどちらも民法上の婚姻関係にあった配偶者が対象となっており、事実婚であっり未婚であった方は残念ながら対象外になってしまっています。

寡婦(寡夫)を判断する時期は、12月31日時点の現況により判断します。

寡婦(寡夫)を判断するのは「合計所得金額」となっており、「収入」と「所得」は違うものですので注意が必要です。
給与所得の源泉徴収票であれば、「支給金額」欄に記載されているのが「収入」で、その右の「給与所得控除後の金額」が「所得」になっています。
簡単に言うと、それらの各種の「所得」を合計したものが「合計所得金額」です。

実際に寡婦(寡夫)の適用をしっかりと判断する際には、フローチャートが記載されている書籍等がありますので参考になります。
国税庁はいろいろと情報を出してくれていますが、法律の文言にもとづいた分かりにくい文書での情報提供であることが多いため、書籍等のフローチャートを見ながら確認した方がよいかもしれません。
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会社にお勤めの方であれば、会社が年末調整してくれるので、扶養控除申告書の所定の欄にチェックを入れましょう。
具体的には、C「障害者、寡婦、寡夫又は勤労学生」の欄にチェックを入れることになります。
ただし、実務的な話しになりますが、この欄に記載がされることは比較的少なく、またチェック欄も大きくないので見落とされてしまうことがあります。
ちゃんと年末調整されていることをご自身で確認するのが安心です。

遺族年金制度

遺族年金制度とは

突然稼ぎ頭をなくした配偶者や子の生活を支えるために国からお金を貰うことができる遺族年金などの制度があります。
具体的には、遺族年金(遺族基礎年金、遺族厚生年金)、死亡一時金、寡婦年金があります。
ただし、それぞれ重複して受給することはできず、遺族年金(遺族基礎年金、遺族厚生年金)、死亡一時金、寡婦年金のどれか1つを選択する必要があります。
この遺族年金制度もややこしいですので、正確に受給資格や受給金額を確かめるには近くの日本年金機構の窓口(年金事務所)に行かれるのがよいでしょう。

遺族年金制度と所得税の関係

遺族年金には所得税は課税されません。
残された遺族の生活を支えるため、支給額に関わらず全額非課税になっています。

参考までに国税庁の資料(タックスアンサーNo.1605「遺族の方に支給される公的年金等」)を抜粋しました。

厚生年金や国民年金などの被保険者であった人が亡くなったときは、遺族の方に対して遺族年金が支給されます。
また、恩給を受けていた人が亡くなった場合には、遺族の方に対して遺族恩給が支給されます。
次の法律に基づいて遺族の方に支給される遺族年金や遺族恩給は、所得税も相続税も課税されません。
・国民年金法
・厚生年金保険法
・恩給法
・旧船員保険法
・国家公務員共済組合法
・地方公務員等共済組合法
・私立学校教職員共済法
・旧農林漁業団体職員共済組合法

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寡婦(寡夫)と住民税の関係

先ほど見たとおり、所得税において寡婦(寡夫)控除は27万円で、特別の寡婦控除は35万円です。
住民税でも所得税と同様に、寡婦(寡夫)控除や特別の寡婦控除がありますが金額が異なります。
住民税では寡婦(寡夫)控除は26万円で、特別の寡婦控除は30万円となっています。

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