一般的には、消費税は「受取った消費税から支払った消費税を差し引くだけ」というシンプルな引き算に思われがちです。しかしながら、中小企業の財務DDにおいて消費税を軽視していると、大きなミスから小さなミスまで様々な間違いを犯してしまうおそれがあります。その理由を、財務DDに与える影響の大きさ別に説明しています。
消費税の計算は複雑(影響大)
消費税には「基準期間」「特定期間」「消費税の新設法人」「消費税の特定新規設立法人」「簡易課税制度」「調整対象固定資産」「高額特定資産」「インボイス」といったものが存在し、それらが複雑に絡み合っています。そのため、税理士職業賠償責任保険の事故は、税目別の保険金支払件数・金額ともに全税目の中で消費税が最多となっており、消費税は「税理士泣かせ」と言われることもあります。財務DDにおいて、消費税の基本的な計算が合っているかをまず確認する必要があり、この確認を怠ってしまうと大きなミスにつながってしまいます。
外注費の給与認定(影響大)
本来は給与(消費税は対象外)として処理すべきものが、外注費(課税仕入れ)として処理されてしまっている場合があります。例えば、1人あたり年間330万円支払っていたとすると消費税への影響は年間30万円となり、それが20人で過去3年あったとすると、30万円×20人×3年=1,800万円の影響があります。
個人的な支出の存在(影響中)
社長の個人的な支出で本来は損金不算入とすべきものが、経費として計上されてしまっている場合があります。例えば、年間550万円の個人的な支出があったとすると消費税への影響は年間50万円となり、過去3年あったとすると、50万円×3年=150万円の影響があります。
単なるミス(影響小)
消費税の対象外とすべきものが誤って課税取引として処理されていたり、インボイスの確認が漏れていたなど、単なるミスにより消費税が誤っている場合があります。影響は小さいですが、ミスが散見される場合、M&A後の管理体制を適切に構築するためにも買手企業さまへ報告するのが望ましいでしょう。
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