税理士法人MFM(公認会計士在籍)
味の素株式会社「米国の液体調味料会社モア・ザン・グルメ・ホールディングス社の株式取得に関するお知らせ」
当社味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、連結子会社である味の素ヘルス・アンド・ニュートリション・ノースアメリカ社(社長:佐藤達也、本社:米国イリノイ州、以下「AHN 社」)を通じて、米国のモア・ザン・グルメ・ホールディングス社(社長:ブラッド・サックス 本社:米国オハイオ州、以下 MTG 社)の株式50.1%を取得する売買契約を締結しました。株式は必要な諸手続きを経て今月中に取得する予定です。
1.株式の取得契約締結の理由
MTG 社は、1993年に創業、米国の生活者トレンドや嗜好を熟知した液体調味料事業(ブロス*・ソース事業)を展開しており、高品質を実現する独自の製造技術や、コーポレートシェフ監修によるカスタマイズ提案を通じた外食・加工食品企業との強い接点を有しています。同社の業績は、2018年は生産効率の課題からマイナス成長となったものの、2016年・2017年では年率6%を超える成長を遂げています。
*肉、魚、野菜などを煮込んだだし汁。
米国の中食・外食向けB to B市場の規模は183億米ドル(約2兆円)でグローバル市場の約4割を占めており、2011年から2025年までの成長率は3.2%と堅調な伸長が見込まれています(当社推定)。同国の外食市場においては、店舗調理における利便性や高品質なイメージにより、粉末調味料と比較して液体調味料(ブロス・ソース等)が好まれる傾向にあります。また、食品素材メーカーが液体調味料メーカーとの協働によってビジネスモデルを転換する動きが顕著になっております。例えば、液体調味料メーカーを傘下に置き、多様な製法・呈味等の知見を吸収した上で、自社素材と組み合わせた提案活動を展開し、従来の加工食品の販売から特定顧客との関係強化を図り、顧客毎にカスタマイズしたメニューを提供するように変化しています。
当社はセイボリー領域の粉体調味料や、長年の研究で培った「おいしさ設計技術」に強みを持ち、加工食品メーカーや外食企業等500社以上の顧客と良好な関係を築いています。今回の契約締結によって獲得する外食市場におけるメニュー提案力と外食企業への直接販売チャネルを活用し、当社独自の素材や呈味・食感技術と融合させることにより、北米地域の「おいしさソリューション事業」を拡充し、新たなスペシャリティの確立を目指します。また、当社が日本・アジアの風味調味料事業で培っただしの抽出技術も活用しながら、MTG 社の生産効率向上の取り組みを加速させます。
当社は2017-2019中期経営計画において、食品事業における地域ポートフォリオ強化を通じた確かな成長を重点戦略に掲げており、中食・外食市場においても各国・地域の食生活・食文化に適合した高付加価値型のソリューションを提供し、現地の生活者の健やかな食生活に貢献し続けます。
2.異動する子会社(MTG 社)の概要
(1)名称 | モア・ザン・グルメ・ホールディング社 (More Than Gourmet Holdings, Inc.) | |||
(2)所在地 | アメリカ合衆国 オハイオ州アクロン市 | |||
(3)代表者の役職・氏名 | 社長 ブラッド・サックス(Brad Sacks,CEO) | |||
(4)事業内容 | 液体調味料(ブロス・ソース等)の製造・販売 | |||
(5)資本金 | 12.6百万米ドル(約14億円) | |||
(6)設立年 | 1993年 | |||
(7)大株主及び持株比率 | Culinary Group Holdings, LLC 100% | |||
(8)上場会社と当該会社との間の関係 | 資本関係 | 該当事項はありません。 | ||
人的関係 | 該当事項はありません。 | |||
取引関係 | 該当事項はありません。 | |||
(9)当該会社の最近3年間の経営成績及び財政状態(単位 百万ドル (括弧内:億円)) | ||||
2016 年 12 月期 | 2017 年 12 月期 | 2018 年 12 月期 | ||
連結純資産 | 19 (21) | 20 (21) | 19 (21) | |
連結総資産 | 30 (33) | 29 (33) | 29 (32) | |
連結売上高 | 24.5 (26.5) | 26.3 (28.3) | 24.3 (26.3) | |
連結営業利益 | 0.6 (0.7) | 0.7 (0.8) | 0.3 (0.3) | |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.2 (1.3) | 1.1 (1.2) | -0.4 (-0.4) |
※換算レート 1ドル=108.64円(2019年7月31日レート)
3. 主要な株式取得の相手先の概要
(1)名称 | Culinary Group Holdings, LLC | |
(2)住所 | 929 Home Ave. Akron, OH 44310 USA | |
(3)上場会社と当該会社との間の関係 | 資本関係 | 該当事項はありません。 |
人的関係 | 該当事項はありません。 | |
取引関係 | 該当事項はありません。 |
4.取得価額及び取得前後の所有株式の状況
(1)異動前の所有割合 | 0% |
(2)取得価額 | 35.1百万米ドル(約38億円) |
(3)異動後の所有割合 | 50.1% |
5.日 程
(1)契約締結日 | 2019年8月20日(現地時間) |
(2)株式譲渡実行日 | 2019年8月22日を予定(現地時間) |
6.今後の見通し
MTG 社は当社の子会社となりますが、2019年度業績に与える影響は軽微となる予定です。
以 上
コラム「経理担当者が知っておくべきデューデリジェンスの流れと注意点」
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M&A財務デューデリジェンス(財務DD)部門