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貸付金とは何か

貸付金(かしつけきん)とは、所定の期日に返済することを約束して貸したお金を意味します。
所定の期日に返済の約束があるから「貸付金」なのであり、返済の約束がなければそれは「贈与」となります。
「貸付金」なのか「贈与」なのかによって税金面で大きな違いが出てきます。

また、お金を貸している側から見ると、貸倒れのリスクがあるため、そのリスクに見合うリターンとして利息を要求します。
これが貸付金の利息です。

貸付金の種類

貸付金には、短期貸付金と長期貸付金の2つがあります。
当期の決算日を基準として
□ 返済期日が1年以内のもの
  短期貸付金
□ 返済期日が1年超のもの
  長期貸付金

英語では、短期貸付金はShort-term loans receivable、長期貸付金はLong-term loans receivableと言います。

貸付金の仕訳

取引の内容

貸付金額:1,000,000円
金利:2%
貸付期間:3年

貸付時の仕訳

借方貸方
長期貸付金1,000,000預金1,000,000

決算時の仕訳

借方貸方
未収利息10,000受取利息10,000

※決算時に、未収利息があれば計上します。
例えば、6ヶ月分の未収利息がある場合は、
1,000,000×2%×6月/12月=10,000

利息受取時の仕訳

借方貸方
預金20,000未収利息10,000
受取利息10,000

※利息を受け取るとともに、当期分の利息を計上します。
※3年間利息の受取があります。

返済時の仕訳

借方貸方
預金1,000,000長期貸付金1,000,000

その他の仕訳

先ほど述べたように、貸付金には貸倒れが発生するリスクがあります。
ここには記載していませんが、貸倒引当金を計上する仕訳も必要になります。
コラム「貸倒引当金の繰入と戻入の仕訳」
コラム「貸倒引当金の計算方法」

税務上の貸付金の利息

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金融機関からの借入れなど、利害関係のない独立第三者間の資金の貸借取引には当然に利息が発生します。
しかし、現実的には、会社と役員との関係、会社と従業員との関係がある場合には、もともと利害関係があり独立第三者間の取引ではないため、利息を取らないというケースもあります。
ただし、税務上はこのような場合であっても利息は取らなければならず、利息を取らなければ給与として課税されることになります。

法律が好きな人であれば所得税基本通達36-49や租税特別措置法93条などを見て理解することもできますが、そうでなければ国税庁が出しているタックスアンサーを見ると一番早く正確に理解することができます。

国税庁タックスアンサーNo.2606「金銭を貸し付けたとき」より抜粋

役員又は使用人に金銭を貸し付けた場合、その利息相当額は、次に掲げる利率によります。
1. (1)会社が他から借り入れて貸し付けた場合・・・・・・その借入金の利率
2. (2)その他の場合・・・・・・貸付けを行った日の属する年に応じた次に掲げる利率
1. 平成21年中に貸付けを行ったもの・・・・・・・・4.5%
2. 平成22年から25年中に貸付けを行ったもの・・・・4.3%
3. 平成26年中に貸付けを行ったもの・・・・・・・・1.9%
4. 平成27年から28年中に貸付けを行ったもの・・・・1.8%
5. 平成29年中に貸付けを行ったもの・・・・・・・・1.7%
6. 平成30年中に貸付けを行ったもの・・・・・・・・1.6%
7. 令和元年中に貸付けを行ったもの・・・・・・・・1.6%

会計上の貸付金の評価

貸付金の貸借対照表価額は、取得価額から貸倒見積高に基づいて算定された貸倒引当金を控除した金額とします。
ただし、債権を債権金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、取得価額と債権金額との差額の性格が利息の調整と認められるときは、償却原価法に基づいて算定された貸倒引当金を控除した金額としなければなりません。
M&Aの財務デューデリジェンス(財務DD)を行う場合、貸付金の評価をしっかりと行う必要があります。
コラム「デューデリジェンスとは」
コラム「財務デューデリジェンスと事前依頼資料」

金融機関から見た決算書上の貸付金

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資金調達をする際に、銀行などの金融機関に決算書を提出することになります。
金融機関から見ると、決算書に計上されている貸付金は悪いイメージであることが多くなっています。

なぜなら、その貸付金は、回収できずに滞留してしまっている債権である可能性があるからです。
事業を営んでいると、資金繰りに困っている取引先などからお金を貸して欲しいというお願いをされることが少なからずあります。
お金を貸してあげなければその取引先が倒産してしまうおそれがありますが、お金を貸してしまうと回収が困難になることが多いのです。

また、役員に対する貸付金がある場合があります。
金融機関から見ると、事業に使う目的でお金を貸したのに、それが役員への貸付金になっていたのでは「話が違う!」となります。
また、追加融資の際には「お金を貸してくれと言うのであれば、先に役員の貸付金を回収してよ・・」と言いたくなるのです。

融資担当者が貸付先を見た途端、表情が変わり口調が厳しくなることもありました。
貸付金は銀行が一番嫌う勘定科目といっても過言ではありません。

税理士法人MFMは資金調達サポートも強みとしています。
コラム「日本政策金融公庫と制度融資の長所と短所」
コラム「【美容室】開業時の融資に成功する創業計画書の書き方とポイント」

個人間の貸付金

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借用書や金銭消費貸借契約書を作成する

金銭の貸借をする場合、親族や友人など親しい間柄であっても借用書や金銭消費貸借契約書は作成するべきです。
「必ず返済する」という口約束で金銭の貸借を行い、後日大きなトラブルになることは珍しいことではありません。
借主が返済を渋ったり、全額返済されなかったり、利息を乗せて返済する約束だったのに利息なしで返済されることもあります。
さらに、後から「お金なんて借りてない」「そんな金利は約束はしてない」などと言われた場合、書類がなければ証拠がないので証明できるものがありません。

親しい仲だからわざわざ借用書を作成しないで、相手のことを信頼する気持ちも大切ですが、自分の身は自分で守らなければいけません。
お互いよく理解して信頼できる関係性があるなら、お金を借りるときには借主から借用書を作成することや、その作成を提案することは常識です。
また借用書をお願いしたことで壊れる関係性であるなら、金銭の貸借は借用書無しで行うべきではありません。

借用書や金銭消費貸借契約書は貸付金がいくら以上から必要か

個人で金銭の貸借をする場合、いくら以上から借用書や金銭消費貸借契約書を作成した方がよいのでしょうか。

缶コーヒー代を貸すのであれば、ほとんどの人が借用書を作らないでしょう。
1千万円貸すのであれば、多くの人がしっかりとした金銭消費貸借契約書を作るでしょう。

一般的に少額であれば借用書は作りませんが、何をもって「少額」とするかの基準は人それぞれ違います。
一つの考え方として、もし返済されずに債権放棄することとなっても仕方ないと思える金額の場合なら借用書は作成しなくてもよい、という考え方もあります。

借用書は後からはOUT

「あとから借用書を書く」といった友人にお金を貸した後、連絡がないこともあります。
借用書は必ず事前にもらっておきましょう。

しかし、事前に金銭の貸借の相談を受けている場合はしっかりとした借用書を用意できますが、急にお願いされることも珍しくありません。
そのような場合、金額、日付、借主の住所、借主の氏名など、最低限必要な事項をメモに書いてサインや押印をもらいましょう。
あくまでもこれは最低限の手続であり、正式な借用書や金銭消費貸借契約書を後日作成する必要があります。

借用書と金銭消費貸借契約書との違い

金銭消費貸借契約書は、一般的には銀行などの金融機関が貸主となる場合に作成される契約書です。
口語では略して金消(きんしょう)と言われることもあります。

少し理解しにくい名前の契約書ですが、「金銭の」消費貸借契約書と考えると理解しやすいと思います。
消費貸借契約書とは、消費してしまう品物を借りて、後日それと同種同等の物で返還することを約する契約書のことです。
お金も消費するものなので、その物品が金銭だった場合、金銭消費貸借契約書となります。

借用書と金銭消費貸借契約の共通点は、法的な効力です。
どちらであっても法的な効力に違いはありません。

相違点は、作成される枚数です。
借用書は、借主が作成し貸主の手元で保管されることになるため、作成される枚数は一通だけのことが多くなっています。
この点、金銭消費貸借契約書は、貸主と借主の両者が署名捺印するため、二通作成しそれぞれの手元で保管されることになります。
そのため改ざんなどのリスクがなくなり、大きな金額の貸付けをする場合、安心して取引を行うことができます。

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