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日本通運株式会社「インド物流事業者、Future Supply Chain Solutions Limited の株式取得に関するお知らせ」

 当社は、当社の子会社である南アジア・オセアニア日本通運株式会社を通じて、インド小売大手事業者である Future Group の物流子会社、Future Supply Chain Solution Limited(以下「FSC 社」、ボンベイ証券取引所に上場)の一部株式を取得すること(以下、「本株式取得」)について、FSC 社の出資者と合意し、2019 年 9 月 20 日に株式割当契約を FSC 社と締結し、また株式譲渡契約および株主間契約を FSC社の出資者と締結いたしましたので、下記の通りお知らせいたします。
 なお、本株式取得は、規制当局の審査その他の一般的な前提条件の充足を経て完了となります。

1.本株式取得の目的
 当社グループは、2019 年度より開始した「日通グループ経営計画 2023 ~非連続的な成長“Dynamic growth~」において「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」を目指しており、中でも物流市場の急速な拡大が期待されるインドを最も重要なエリアの一つと位置付けています。インドの物流市場は、道路インフラの整備や GST※の導入によるサプライチェーンの再構築など、大きな変革期にあるとともに、急増する中間所得層による消費拡大を背景に大きな成長が期待されています。
 当社は、2007 年に M&A によってインドに進出以降、インド発着の国際フォワーディングを中心に事業を拡大して参りました。当社のインド事業のさらなる拡大のために、次のステップといたしまして、内需の拡大に伴うインド国内の物流事業を強化しています。
 Future Group はインド・ムンバイを本拠地とし、インド全国に店舗を展開する大手小売グループであり、FSC 社は同グループの物流機能を担う会社です。また FSC 社は、グループ向けの物流に留まらず、急速に拡大するインド物流需要を積極的に取り込むことで、現在ではインド有数の物流事業者の地位を築いています。
 この度、当社と Future Group は、インド物流事業において、事業領域で相互に補完し合い、更なる物流事業の拡大を図るためにより強固な関係を築き、お客様に対しインド内外の一貫物流サービスを提供することが両社にとって有効であると判断し、FSC 社の一部株式取得に合意いたしました。当社とFuture Group の協同により、FSC 社をインド物流事業者のリーディングカンパニーに育てることによって、両グループのさらなる発展につながるものと考えています。
 ※GST(Goods and Services Tax):インドで商品およびサービスの供給に対して課される間接税

2.FSC 社の概要

(1) 商号Future Supply Chain Solutions Limited
(2) 所在地7th Floor, 349 Business Point, Western Express Highway,
Andheri (East), Mumbai, Maharashtra 400069 India
(3) 代表者の氏名・役職Rakesh Biyani (Chairman & Non-Executive Director),
Mayur Toshniwal (Managing Director)
(4) 事業内容インドにおける、3PL・エクスプレス・温度制御物流
(5) 資本金401百万ルピー
(6) 設立2006年
(7) 上場ボンベイ証券取引所に上場(2017年12月18日)

3.本株式取得の内容

(1) 既存株式の譲受株式譲渡契約により、機関投資家から 5,863,475 株を譲受
(2) 新株発行株の引受株式割当契約により、FSC 社から 3,789,350 株を引受

※既存株式の譲受および新株発行の引受に伴い株主間契約を Future Group と締結

4.   取得前後の出資持分比率の状況

(1) 異動前の出資持分比率0.0%
(2) 既存株式の譲受13.4%(3,893.3 百万ルピー、約60億円)
(3) 新株発行の引受8.6%(2,516.1 百万ルピー、約39億円)
(4) 異動後の出資持分比率22.0%

※持分比率は、新株発行後の比率

5.日程

(1) 取締役会決議日2019 年 9 月 20 日
(2) 株主間契約締結日2019 年 9 月 20 日
(3) 株式譲渡契約締結日2019 年 9 月 20 日
(4) 株式割当契約締結日2019 年 9 月 20 日
(5) 全出資持分取得完了日2020 年 1 月(予定)

6.今後の見通し
 本株式取得の当社の 2020 年 3 月期連結業績に与える影響は軽微です。

以  上

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