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財務デューデリジェンス(財務DD)によるM&Aのリスクマネジメントが成功のポイント。
大阪・東京の税理士法人MFMグループ(公認会計士在籍)

美容室のM&Aの特色

美容室の経営環境

美容室の数は、厚生労働省の衛生行政報告例によると、平成27年は240,299店舗、平成28年は243,360店舗、平成29年は247,578店舗とここ数年は増加傾向にあります。
一方で、美容室の市場規模は、ここ数年は約1兆5,000億円程度ですが、少しずつ減少傾向にあります。
少人数の小型サロンや1人美容室が増えたことがこのデータからも伺い知ることができます。
美容室の小型店化は、時代に合わせた経営であり合理的な経営スタイルですが、昔の大型店と比べるとどうしても経営の効率が悪くなりがちです。
人件費の高騰や美容師の採用の取り合いも起こっており、美容室の経営が大変な時代になってきています。

美容室の後継者問題

帝国データバンクの2019年の調査によると、後継者が決まっていない後継者不在率は日本全国で65.2%となっており、3社に1社しか後継者がいない計算になります。
その中で、美容室を含むサービス業の後継者不在率は約70%となっており、全国平均に比べるとかなり高い比率の業種ということができます。

日本は少子高齢化が進んできており、多くの美容室のオーナー経営者も年々高齢化しています。
年齢を重ねて気力・体力に衰えを感じ世代交代の時期を迎えている経営者は、経営のバトンタッチをしなければならないものの、近年は後継者問題に直面している美容室が少なくありません。
昔の中小企業では、息子や娘婿などの親族の後継者に事業を承継するのが一般的でしたが、現在ではそのような形の事業承継は容易ではありません。
まず、息子や娘婿などの跡取りがいない場合があります。
また、跡取りがいたとしても本人が事業を継ぎたがらないケースもあるでしょう。
さらに、息子や娘婿などが経営者としての能力が不足しているケースや、現在の厳しい経営環境下では会社の舵取りが大変であり親のエゴだけで息子を経営者にさせるのはかわいそうと思われる方もいます。

こうした後継者問題を解決するために、その企業の経営を引き受けたいと名乗り出た外部の第三者に対して事業を譲渡する、いわゆる事業承継型M&A(Mergers and Acquisitions)が近年増加してきています。
第一候補であった息子や娘婿などの親族への事業承継の道が閉ざされてしまい、第二候補であった役員や従業員への事業承継が困難な場合、今後の美容室の存続や発展を考えると、企業外部の第三者への事業の譲渡は合理的な選択であるともいえます。
特に後継者問題に直面している中小企業において、その問題をすべて解決できる有力な選択肢として、今日ではM&Aの活用が年々進んでいます。

複数店舗を経営している美容室では、店舗を従業員に譲っていく形のM&Aもよく見受けられるようになりました。
従業員としても、新規開業のリスクを取るよりも自分が慣れ親しんでいる店舗、仲間、お客さんをM&Aにより引き受ける方が安全だと考えているようです。

後継者不在の美容室の場合、M&Aで事業を売却することにより、ハッピーリタイアすることができるのです。

中小企業の事業承継系M&Aの推移

年度事業承継系M&Aの件数
2013233
2014235
2015263
2016299
2017321
2018546
2019616

出展:2020年度版「中小企業白書」

美容室のM&Aのデューデリジェンスの特色

美容室のM&Aのデューデリジェンスの特色としては、美容室は人で成り立っているため、有形の資産をいくらで評価するかというより、顧客や人材や立地といった事業のデューデリジェンスの方がメインになります。
すべての会社に当てはまりませんが、検討すべき事項を他の業種と比較して下の表に簡単にまとめました。

美容室不動産業製造業
固定資産
技術・人材
顧客
在庫
特許・ブランド
美容室

美容室では、テナント物件の内外装費用や美容機器は必要ですが、大きな不動産や機械装置は必要ありません。
理美容業界は人手不足のため、M&Aがきっかけで重要な人材が流出してしまわないように十分配慮する必要があります。
担当者の変更は失客の大きな原因となるため、人材を繋ぎ止めておくことが顧客の流出を防ぐことにつながります。
在庫はありますが、製造や原価計算は必要ではありません。
多店舗展開している美容室は、商標権を持っていることがあります。念のために確認しておきましょう。

不動産業

不動産業では、不動産という大きな固定資産はしっかりと検討する必要がありますが、それ以外の有形・無形の固定資産はそれほどありません。
従業員数は少なく、M&Aが契機でテナント契約が解除されるというリスクも少ないです。
在庫ありませんし(販売用不動産は除きます)、知的財産も持っていないことが多いです。

製造業

工場の土地・建物・機械装置があるため、自社所有であっても賃貸(リース)であっても検討が必要です。
製品の製造には熟練の技術が必要なことがあり、また、製造のために多くの従業員を抱えている必要があります。M&Aがきっかけで熟練の技術や重要な人材が流出してしまわないように十分配慮する必要があります。
大口の得意先がいる場合が多く、M&Aが契機となりその顧客との契約が解除になってしまわないように、慎重にM&Aを進めなければなりません。
製品、原材料、仕掛品といった在庫を保有しています。また、適正な在庫評価を行うために原価計算を理解する必要もあります。
製造やその製品に関して特許権や商標権を持っていることがあります。また、食品製造業や化粧品製造業などではブランド名に価値があることもあります。このような特許権や商標権といった知的財産についても検討する必要があります。

このように、美容室のM&Aのデューデリジェンスでは、固定資産や在庫をいくらで評価するかというより、人材や顧客といった事業のデューデリジェンスの方が重要になってきます。
美容室は立地も経営上とても重要ですので、立地についてもしっかりと検討を行う必要があります。
コラム「【美容室】開業に成功する商圏分析」

M&Aで一番と言ってもよいほど怖いリスクは、簿外債務や偶発債務です。
企業を買収した後で簿外債務が発見された場合、買主はその債務を支払う義務があるため大きな損害を被ることになります。
この簿外債務の有無の検討はどの業種のM&Aの財務デューデリジェンス(財務DD)でも共通して必要な事項であり、またその検討は公認会計士などの専門家が行ってくれるため、このコラムでは深く触れていません。
簿外債務については、コラム「M&Aのデューデリジェンスにおける簿外債務(隠れ負債)の発見方法」を参照ください。

本題の美容室のオーナーから見たM&Aのデューデリジェンスの注意点について見ていきます。

固定資産

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美容室の店舗の改装には多額の投資が必要となるため、基本的には使えるものはそのまま使うというスタンスのM&Aが多いように見受けられます。
多店舗展開している場合、中には不採算店もあります。
不採算店を閉鎖する際には、賃貸借契約書に原状回復義務の記載があれば、返還前に原状回復を行う必要があります。
契約期間中の中途解約であれば、違約金が支払う必要があると賃貸借契約書に記載されているかもしれません。
M&Aの成立後、事業のリストラクチャリングを実施する際に、どのような費用の支出が臨時で必要であるかを事前に確認しておく必要があります。
もし、M&Aで多額の取得費用を支払った後に更に想定外の多額の費用が必要になったのでは、会社の経営上よくありません。
早い段階で資料依頼をして検討しておきましょう。
コラム「財務デューデリジェンスと事前依頼資料」

技術・人材

オーナー

美容室は人で成り立っています。
大切なVIP客を繋ぎ止めるため、従業員を繋ぎとめるため、重要なキーパーソンとなる人物がいます。
これらの人物は、M&A成立後もしばらく会社に残って貰わなければ事業の運営が上手くいきません。
オーナー夫婦がこのキーパーソンである場合があります。
その他のキーパーソンを探すには、どのような人材がどの部署にいるか(特に幹部社員)を把握することが重要です。
M&Aが契機となり有能な人材が退職してしまうと計画したような業績を上げることができなくなるため、そのような人材には報酬やポストの面で待遇を良くする必要があるかもしれません。

M&Aのスキームにも関連してきますが、元オーナーに今後も事業に携わってもらうのであれば、M&Aの対価を、①株式取得費用として支払うのか②退職金として支払うのか③今後数年間の報酬として支払うのか、①~③をミックスして複数の方法により支払うのか、など税務的な検討も必要になります。

従業員

IT技術の進歩により店舗の省人化が進んできていますが、サービス業はどうしても人手が必要です。
今は人材募集が大変な時代であるため、M&Aが契機となり複数の従業員が退職してしまう事態になると多くの時間とコストが多くかかってしまいます。
M&Aの情報が従業員に漏れてしまい精神的に動揺してしまうと退職のおそれがあります。
締結した秘密保持契約はしっかりと遵守しましょう。
コラム「秘密保持契約書とは」

在庫

理美容業は商品売上・技術売上を上げるために在庫を持っている必要があり、その実在性を確認する手続が必要になります。
在庫の中には余剰在庫や滞留在庫があるかもしれません。
実在しない在庫が計上されているおそれもあります。
棚卸資産回転期間などの分析を実施することにより、業界平均と比較して在庫の残高が多いのか少ないのかが分かります。
コラム「棚卸資産回転期間の業種別適正水準と改善方法」

特許・ブランド

多店舗展開している美容室は、商標権を持っていることがあります。念のために確認しておきましょう。
会社ごとM&Aする場合は特許権や商標権といった知的財産も自動的に譲渡されますが、事業譲渡を行う場合は知的財産を個別に譲渡する手続も必要になります。
コラム「商標登録と商標権の侵害」

犯罪デューデリジェンス

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犯罪デューデリジェンスは税理士法人MFMが独自に提供しているサービスであり、以下のようなリスクを探るためのデューデリジェンスです。
□会社の過去の行政処分の有無
□社長の過去の逮捕歴や前科の有無
□会社や社長が抱えている又は抱えていた訴訟の有無
□会社の所在地や役員の異常な異動の有無

M&Aの場面のみに限らず、これから取引をすることを検討されている方、ビジネスパートナーを組む予定の方、個人的な事情で依頼されたい方などもご利用頂けます。

※逮捕歴や訴訟に関する情報は、警察や裁判所が有しており一般的に公表している情報ではないため、調査することは基本的には不可能です。しかしながら、重大な犯罪事件や訴訟事件については、これまでの調査の実績から培った調査力により発見できる可能性があるのが税理士法人MFMの強みです。

世の中には怪しい会社やビジネス、不正・違法な行為により利益を得ている会社が意外と多く存在するものです。
例えば200万円支払って財務DDと法務DDを実施し、そのデューデリジェンスの結果として過去に行政処分を受けていたことが判明しM&Aを中止することとなった場合、その中止するという結論は出すために200万円のコストがかかってしまいます。
もし、会社が過去に行政処分を受けていたことが犯罪デューデリジェンスの実施によって判明した場合、おおよそ10分の1の料金で済みます。
デューデリジェンスを実施するかどうか悩まれている企業には、まずは犯罪デューデリジェンスを実施することをおすすめしています。

税理士法人MFMのサービス「犯罪デューデリジェンス」

税理士法人MFMの財務・税務デューデリジェンス

税理士法人MFMでは美容室のM&Aのデューデリジェンスを手掛けてきました。
財務デューデリジェンス(財務DD)は財務諸表監査の知識と経験があり、財務的なリスクを見抜ける能力に長けている公認会計士に依頼する方が安心です。
税務デューデリジェンス(税務DD)は税の専門家である税理士に依頼するのがよいでしょう。
報酬も業界最安値水準になっています。
M&Aのデューデリジェンスの詳しいお見積りはお問い合わせ下さい。

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公認会計士・税理士 松浦