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商業登記簿謄本とは

商業登記制度は、商号や会社の信用の維持し商業取引を安全・円滑に行うため、会社法や商法が定めた制度であり、商号に関する重要な事項が商業登記簿謄本に記録されます。
そのため、手数料さえ支払えば、誰でも登記簿謄本を取ることができます。

不動産にも登記制度があり「不動産登記」とも言われることから、それと区別するために「商業登記」と言われています。
ただし、口頭や文書では単に「登記簿謄本」や「謄本」と言われることが多いです。
(話しの流れや文脈からそれが「商業」なのか「不動産」なのかは簡単に分かるからです)

そしてややこしいことに、(後で詳しく述べますが)正式な書類名は「履歴事項全部証明書」などです。
このように様々な名称で呼ばれることから、多くの人に混乱を招いてしまっているような感じがします。

商業登記簿謄本の読み方は、「しょうぎょうとうきぼとうほん」です。
また、履歴事項全部証明書の読み方は、「りれきじこうぜんぶしょうめいしょ」です。

登記簿謄本の種類

登記簿謄本には次の5つの種類があります。

履歴事項全部証明書

登記簿謄本と言えば、一般的に「履歴事項全部証明書」のことを指します。
金融機関やM&Aの場面で登記簿謄本の提出を求められた場合には、この「履歴事項全部証明書」の提出が必要になります。

またややこしいことに「履歴事項全部」とありますが、「履歴の全部」が記載されているという意味ではありません。
現在効力がある登記事項と、謄本請求日の3年前の日の属する年の1月1日以降抹消された事項ついて、全部が記載されている謄本です。
それより以前の抹消の履歴について調べたければ、後で述べる「閉鎖事項全部証明書」を取る必要があります。

現在事項全部証明書

その名のとおり、現在有効な事項の全部が記載されている謄本です。
そのため、抹消された事項は載ってきません。

閉鎖事項全部証明書

謄本請求日の3年前の日の属する年の1月1日よりも前に抹消された事項が記載されている謄本です。
ただし、コンピュータ化の前に閉鎖されている事項は、オンラインではなく所轄登記所に行かなければ取ることができません。

履歴事項一部証明書(抄本)

現在効力がある登記事項と、謄本請求日の3年前の日の属する年の1月1日以降抹消された事項について、特定の一部の区のみが記載されている抄本です。

現在事項一部証明書(抄本)

現在有効な事項うち、特定の一部の区のみが記載されている抄本です。

このように登記簿謄本には5つの種類がありますが、「履歴事項全部証明書」と「閉鎖事項全部証明書」の2つがあれば、その他の3つの謄本・抄本の情報がすべて含まれているため、この2つがあれば何も問題ありません。
コラム「商業登記簿謄本の見方」

登記簿謄本の取り方

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銀行口座を開設するため、新規取引先の信用調査を行うため、M&Aの財務デューデリジェンス(財務DD)を行うためなど、様々な理由で商業登記簿謄本が必要になります。
コラム「デューデリジェンスとは」

登記簿謄本を取るには、オンラインで取得する方法と、法務局に行って取得する方法があります。
料金がそれぞれ異なりますので、料金にも触れながら説明します。

オンラインで取る-登記情報提供サービス

「登記情報提供サービス」を使えば、登記簿のデータをオンラインで即時に取得することができます。
「履歴事項全部証明書」と「閉鎖事項全部証明書」の両方を取得することができます。

料金は1通334円(令和元年10月から)と一番安くなっています。
※令和元年9月までは335円
基本的にはクレジットカード払いですが、法人で事前登録をしていれば口座振替も可能になっています。

しかし「登記情報提供サービス」で取得した登記簿謄本には証明力はないため、金融機関や税務署に対して提出することはできません。
そのため、信用調査や財務デューデリジェンス(財務DD)の調査を行う場合など、証明力はいらないがすぐに情報が欲しい際には最も役に立つ方法です。
ただし、利用時間が平日の午前8時30分から午後9時までなので、夜遅くや土日には使うことができません。
コラム「経理担当者から見たM&Aのデューデリジェンスの流れと注意点」

オンラインで取る-登記ねっと

「登記ねっと」でも、登記簿をオンラインで取得することができます。
「履歴事項全部証明書」と「閉鎖事項全部証明書」の両方を取得することができます。
「登記ねっと」で取得した紙の登記簿謄本には証明力があるため、金融機関や税務署に対して提出することができます。
料金は、郵送で交付を受ける場合は1通500円で、窓口で交付を受ける場合は1通480円です。

法務局に行って取る

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もちろん法務局に出向き、現地で申請書(登記事項証明書交付申請書)を記入して登記簿を取得することもできます。
料金は1通600円です。
昔は1通取るのに1,000円かかっていましたが、何度か値下げが行われて今の料金になっています。

登記簿謄本の交付申請書は法務局に置いていますので、必要事項を記入して提出します。
また、この交付申請書に収入印紙を貼る欄があるので600円分の収入印紙を貼付します。
(現金で直接支払うのではなく、収入印紙として支払うことになります。)
この収入印紙は法務局でも販売していますので特に事前に購入しておく必要はありません。

登記簿謄本はコンビニでは取れないの?

登記簿謄本をコンビニで取得することは、現時点ではできません。
もしかしたら将来的にはコンビニで取得することが可能になるかもしれません。
ただし、現在コンビニで取得することのできる住民票や印鑑証明はすべての国民の生活に関係しているのに対して、登記簿謄本は基本的にはビジネスに携わわる人(しかもその中でも管理部などのごく一部の人)のみに関係してくるものなので、残念ながら登記簿謄本をコンビニで取得できるようになる可能性はあまり高くないのかもしれません。

登記簿謄本の一番安い取り方は??

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データでよい場合は、「登記情報提供サービス」が334円(令和元年10月から)と一番安くなっています。
※令和元年9月までは335円

証明力のある紙の謄本が欲しい場合は、「登記ねっと」でオンライン申請して窓口で交付を受ける方法が480円と一番安くなっています。
ただし、法務局まで行く時間と交通費を考えると、「登記ねっと」でオンライン申請して郵送で交付を受ける500円の方法がよいかもしれません。
この場合、インターネットバンキングかペイジー対応ATMからの払込みによる支払いとなるため、支払いの手間も少し考慮に入れる必要があります。

どうしてもすぐに証明力のある紙の謄本が欲しい場合は、法務局に行って600円支払うしかありません。

登記情報提供サービスの利用料金及び消費税不課税対象者の登録費用の改定

令和元年10月1日から,指定法人手数料の引下げに伴い,登記情報提供サービスに係る利用料金が別表1のとおり変更されます。
また,同日から,消費税率の引上げに伴い同サービスに係る消費税不課税対象者の登録費用が別表2のとおり変更されます。

別表1

提供される情報の種類旧利用料金新利用料金
全部事項(不動産・商業法人)情報335円(334円)334円(333円)
所有者事項情報145円(144円)144円(143円)
動産・債権譲渡登記事項概要ファイル情報145円(144円)144円(143円)
地図情報・図面情報365円(364円)364円(363円)

別表2

登録利用者の区分旧登録費用新登録費用
①登録利用者が法人の場合740円(686円)740円(673円)
②登録利用者が国又は地方公共団体の場合560円(519円)560円(510円)
③登録利用者が①②以外の者である場合300円(278円)300円(273円)

※上記の新利用料金は,いずれも指定法人手数料(14円)を含む1件当たりの利用料金です。また,指定法人手数料には消費税及び地方消費税が含まれています。
※上記の利用料金及び登録費用の( )内の料金は,消費税不課税対象者(利用者の住所等が日本国外にある場合に,消費税法の課税対象外となり消費税が課されない方)の利用料金及び登録費用です。

出典:一般社団法人民亊法務協会「登記情報提供サービスの利用料金及び消費税不課税対象者の登録費用の改定(お知らせ)」

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