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退職給付の規定,範囲

退職給付の会計処理は、「退職給付に関する会計基準(以下、退職給付会計基準といいます。)」及び「退職給付に関する会計基準の適用指針」に規定されています。
この退職給付会計基準において、退職給付とは、一定の期間にわたり労働を提供したこと等の事由に基づいて支給されるものととされています。
そのため、労働の対価性が明確でない株主総会の決議又は指名委員会等設置会社における報酬委員会の決定が必要となる取締役、会計参与、監査役及び執行役のような役員の退職慰労金については、退職給付会計基準の適用の対象外となっています。

退職給付の制度

退職給付の制度は、大きく分けて
1.確定拠出制度
2.確定給付制度
の2つの制度があります。
確定給付年金の会計処理と税務上の取扱いについては、コラム「確定給付年金の会計と税務」に記載しています。
このコラムでは、確定拠出年金の会計処理と税務上の取扱いについて記載しています。

確定拠出制度

確定拠出制度とは何か

確定拠出制度とは、一定の掛金を外部に積み立て、事業主である企業が、当該掛金以外に退職給付に係る追加的な拠出義務を負わない退職給付制度です(退職給付会計基準4)。

老後の生活を支える新たな年金制度として、確定拠出年金法が制定され2001年(平成13年)10月1日から確定拠出年金の運用が始められました。
アメリカ合衆国の内国歳入法(Internal Revenue Code)の第401条k項という条項番号の制度をモデルとして作られたことから、「日本版401k」とも呼ばれています。
また、確定拠出年金は、英語ではDC(Defined Contribution pension)と呼ばれています(これに対し、確定給付年金DB(Defined Benefit pension)と呼ばれています)。

この確定拠出年金は、「企業型」と「個人型」に分かれています。

企業型

企業型(企業型DC)は、企業が掛金を拠出し本人が運用を行う制度です。
企業型DCの制度を導入している企業の従業員が加入し運用することとなります。

個人型

個人型(iDeCo(イデコ))は、個人で掛金を拠出して運用する制度です。
個人型は2002年1月から運用が開始されましたが、加入対象者は国民年金第1号被保険者(自営業者など)と国民年金第2号被保険者(会社員、公務員など)のうち企業年金のない企業の従業員に限定されていました。
2017年1月からは公務員、主婦、企業年金のある会社員も加入の対象者となり、公的年金制度に加入している20歳以上60歳未満のほとんどすべての方が加入できるようになりました。

確定拠出年金の会計処理,仕訳

会計処理

確定拠出制度については、当該制度に基づく要拠出額をもって費用処理します。また、当該制度に基づく要拠出額をもって費用処理するため、未拠出の額は未払金として計上します(退職給付会計基準31)。
この費用は、退職給付費用に含めて計上します(退職給付会計基準32)。

ここでのポイントは、確定給付制度の場合は「退職給付引当金」や「退職給付に係る負債」という勘定科目で処理しますが、確定拠出制度の場合は「未払金」という勘定科目で処理するという点です。

仕訳

拠出時の仕訳
借方貸方
退職給付費用××預金××
期末に未拠出の額がある場合の仕訳
借方貸方
退職給付費用××未払金××

M&A(Mergers and Acquisitions)の財務デューデリジェンス(財務DD)において、退職給付費用が適切に計上されているかを確認することになります。
貸借対照表の面から見ると、未払金が計上されていない場合は簿外債務(隠れ負債)が存在してしまっていることになります。
コラム「デューデリジェンスとは」
コラム「M&Aのデューデリジェンスにおける簿外債務(隠れ負債)の発見方法」

確定拠出制度の税務上の取扱い

確定拠出年金法に基づいて拠出した掛金は、法人においては損金の額に算入され、個人事業主においては必要経費に算入されます。

(法人税法施行令135条)
内国法人が、各事業年度において、次に掲げる掛金、保険料、事業主掛金、信託金等又は信託金等若しくは預入金等の払込みに充てるための金銭を支出した場合には、その支出した金額(第二号に掲げる掛金又は保険料の支出を金銭に代えて株式をもつて行つた場合として財務省令で定める場合には、財務省令で定める金額)は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
三 確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)第四条第三項(承認の基準等)に規定する企業型年金規約に基づいて同法第二条第八項(定義)に規定する企業型年金加入者のために支出した同法第三条第三項第七号(規約の承認)に規定する事業主掛金(同法第五十四条第一項(他の制度の資産の移換)の規定により移換した確定拠出年金法施行令(平成十三年政令第二百四十八号)第二十二条第一項第五号(他の制度の資産の移換の基準)に掲げる資産を含む。)
四 確定拠出年金法第五十六条第三項(承認の基準等)に規定する個人型年金規約に基づいて同法第六十八条の二第一項(中小事業主掛金)の個人型年金加入者のために支出した同項の掛金

(所得税法施行令64条)
事業を営む個人又は法人が支出した次の各号に掲げる掛金、保険料、事業主掛金又は信託金等は、当該各号に規定する被共済者、加入者、受益者等、企業型年金加入者、個人型年金加入者又は信託の受益者等に対する給与所得に係る収入金額に含まれないものとする。
四 確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)第四条第三項(承認の基準等)に規定する企業型年金規約に基づいて同法第二条第八項(定義)に規定する企業型年金加入者のために支出した同法第三条第三項第七号(規約の承認)に規定する事業主掛金(同法第五十四条第一項(他の制度の資産の移換)の規定により移換した確定拠出年金法施行令(平成十三年政令第二百四十八号)第二十二条第一項第五号(他の制度の資産の移換の基準)に掲げる資産を含む。)
五 確定拠出年金法第五十六条第三項(承認の基準等)に規定する個人型年金規約に基づいて同法第六十八条の二第一項(中小事業主掛金)の個人型年金加入者のために支出した同項の掛金
2 事業を営む個人が、前項各号に掲げる掛金、保険料、事業主掛金又は信託金等を支出した場合には、その支出した金額(確定給付企業年金法第五十六条第二項(掛金の納付)又は法人税法施行令附則第十六条第二項の規定に基づき、前項第二号に掲げる掛金又は同項第三号に掲げる掛金若しくは保険料の支出を金銭に代えて同法第五十六条第二項に規定する株式又は同令附則第十六条第二項に規定する株式をもつて行つた場合には、その時におけるこれらの株式の価額)は、その支出した日の属する年分の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。

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