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立替金は何か

立替金(たてかえきん)とは、取引先や従業員などが支払うべき金銭を、一時的に企業が立て替えて支払う場合に使用される勘定科目です。
従業員が支払うべき物品の購入代金や雇用保険料を企業が一時的に立替払いすることがあります。
また、取引先や子会社が物品を購入する際に企業が一括して購入し立替払いすることもあります。
このような場合に一時的に立替金が計上され、後日回収することになります。

立替金の回収は近い内になされることから、貸借対照表では流動資産の区分に計上されることになります。

立替金は英語では、Advances paidといいます。

仮払金の回収

立替金は従業員や取引先といった信頼関係のある相手に対して支払われるため、特に明確な回収期間は定められていないでしょう。
従業員の場合、次の給与の支払時に、給与と相殺されることがよくあります。
取引先の場合では、買掛金と相殺することにより回収されることもあります。

仮払金の仕訳

取引の内容

美容室の従業員が個人的にドライヤー(10,000円)を購入する。
ディーラーに対する支払は、他の商品仕入(100,000円)と一緒に企業が支払う(従業員分については企業が立替払いする)。

支払時の仕訳

借方貸方
立替金10,000預金110,000
仕入100,000

回収時の仕訳

借方貸方
現金10,000立替金10,000

立替金は決算までに整理する

立替金と科目内訳明細書

期末において仮払金が残っており決算書に計上されている場合、法人税の申告を行う際に、添付資料として提出する勘定科目内訳明細書に仮払金の内訳を記載して提出する必要があります。
具体的には、仮払金の「相手先の名称(氏名)」「相手先の所在地(住所)」「法人・代表者との関係」「期末現在高」「取引の内容」を記載する必要があります。
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ところが、この内訳明細書に記載すべき勘定科目は、仮払金と前渡金としか記載されていません。
立替金をこの内訳明細書に記載すべきかどうかは議論がある部分ですが、立替金も記載する企業が多いように思います。

立替金に対するM&Aの財務デューデリジェンス(財務DD)での見方

財務デューデリジェンス(財務DD)は、M&A(Mergers and Acquisitions)において買収対象企業又は買収対象事業の適正な財務状態・収益性を把握するための手続です。
「立替金は貸借対照表において資産として計上されているが本当に資産性があるのか」という視点でM&Aの財務デューデリジェンス(財務DD)においてチェックが行われます。
貸付金として処理すべきものが立替金となっている場合、利息という税務上の問題もありますが、その回収可能性がなければ資産性があるとはいえません。
M&Aにおいて、立替金は検討が行われる勘定科目の1つです。
コラム「その他資産の財務デューデリジェンスのチェックリスト」

立替金と仮払金

仮払金とは

仮払金(かりばらいきん)とは、具体的な勘定科目や金額が確定していないものを支払った時に使用される勘定科目です。
出張する際などに、必要と見込まれる旅費交通費を事前に概算で従業員に渡し、後日実費精算することがあります。
備品を購入する場合や交際費を支払う場合などにも使われ、従業員に立替払いしてもらうには高額で従業員の負担になってしまうような場面において、企業が仮払を行います。
また、会計入力を行っている際に、内容が不明な支払いがされているケースがあり、その内容が分かるまで仮払金として一旦処理することもあります。
コラム「仮払金とは。仮払金の仕訳・会計処理」

立替金と仮払金の共通点

立替金と仮払金は、以下の点で共通点があります。
・企業から現金の支払いがある
・一時的に使用される勘定科目であり貸借対照表の流動資産に計上される

立替金と仮払金の相違点

立替金と仮払金は、以下の点で異なります。
・立替金はその内容や金額が明確であるのに対し、仮払金は具体的な勘定科目や金額が明確になっていない。
・立替金は回収すべき債権であるのに対し、仮払金は後日差額の精算が行われる。

財務デューデリジェンス・税務デューデリジェンス

M&Aの調査である財務デューデリジェンス(財務DD)は財務諸表監査の知識と経験があり、財務的なリスクを見抜ける能力に長けている公認会計士に依頼する方が安心です。
税務デューデリジェンス(税務DD)は税の専門家である税理士に依頼するのがよいでしょう。
税理士法人MFMではM&Aのデューデリジェンスの経験が豊富な公認会計士・税理士の有資格者によるデューデリジェンスを行っています。
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