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財務デューデリジェンス(財務DD)によるM&Aのリスクマネジメントが成功のポイント。
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携帯電話販売代理店の業界地図

2018年までは会社四季報の業界地図に「携帯販売代理店」として業界がクローズアップされており、業界の動向、大手携帯販売代理店のランキングとその売上高や利益額が分かりやすく記載されていました。
しかし、2019年以降の業界地図からは携帯販売代理店は記載されておらず、外部から見ると業界の動向や大手企業のランキングが簡単には捉えづらい業界となってしまいました。
以前から業界内の再編は活発なようですが、現在においてもM&Aはよく行われているようです。

上場会社

株式会社ティーガイア

業界最大手の代理店が東証一部上場の株式会社ティーガイアです。
メインはモバイル事業ですが、ソリューション事業や決済サービス事業なども行っています。
通信キャリアの種類は、KDDい(au)、ドコモが主体となっています。
モバイル事業の連結売上高は以下のようになっています。
2018年3月期 477,518百万円
2019年3月期 452,635百万円

コネクシオ株式会社

コネクシオ株式会社も東証一部上場会社です。
事業は大きくコンシューマ事業と法人事業に分かれているようですが、概ね携帯電話販売事業と思われます。
通信キャリアの種類は、ドコモが主体となっています。
コネクシオ株式会社の連結財務諸表の外部売上高は以下のようになっています。
2018年3月期 264,897百万円
2019年3月期 263,925百万円

株式会社光通信

株式会社光通信も東証一部上場会社です。
事業は大きく法人事業、SHOP事業、保険事業に分かれています。
SHOP事業は携帯電話販売事業ですが、法人事業はOA機器やウォーターサーバーの販売も含まれているようです。
通信キャリアの種類は、ソフトバンクとKDDI(au)が主体となっています。
株式会社光通信のSHOP事業の連結財務諸表における外部売上高は以下のようになっています。
2018年3月期 93,712百万円
2019年3月期 87,056百万円

このように、上場会社の売上数値のトレンドを見ると、最近の携帯電話販売代理店の売上は減少傾向にあるようです。

非上場会社

非上場会社ではありますが、上場会社に負けない売上規模を誇り業界で上位にランクインしてくる大手企業もあります。
・MXモバイリング株式会社
・兼松コミュニケーションズ株式会社
・アイ・ティー・エックス株式会社

2019年10月には、兼松コミュニケーションズ株式会社が日本テレホン株式会社の株式の買付けを行うと発表し、非上場会社においてもM&Aによる再編が多く行われているようです。
コラム「M&Aとは。長所と短所」

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国内携帯電話端末出荷台数

2019年度上期国内携帯電話端末出荷台数は、2000年度以降の半期別出荷台数として過去最低となっており、MM総研の調査結果は以下のようになっています。
□2019年度上期の総出荷台数は1,461.5万台(前年同期比5.8%減)
□スマートフォン出荷台数は1,286.1万台(7.5%減)
□フィーチャーフォン出荷台数は175.4万台(8.3%増)
□SIMフリースマートフォン出荷台数は137.4万台(2.3%増)

□スマートフォン出荷台数比率は88.0%(前年同期比1.6ポイント減)
□フィーチャーフォン出荷台数比率は12.0%(1.6ポイント増)
□SIMフリースマートフォン出荷台数比率は10.7%(1.0ポイント増)

□メーカー別出荷台数シェアは1位がAppleの39.2%、2位シャープ、3位京セラ、4位富士通コネクテッドテクノロジーズ、5位Samsung
□スマートフォン市場(SIMフリー含む)での出荷台数シェアは1位がAppleの44.6%、2位シャープ、3位Samsung、4位ソニーモバイルコミュニケーションズ、5位富士通コネクテッドテクノロジーズ
出典:MM総研

携帯電話端末出荷台数を見ても、最近の携帯電話販売代理店の売上は減少傾向にあるのが分かります。
一方、会社規模が大きくなると様々なメリットがあることから、生き残りをかけてM&Aによる拡大を狙っている企業もあります。
ただし、M&Aには隠れ債務の引継リスク等があるため、専門家によるデューデリジェンスが必要になります。
コラム「デューデリジェンスとは」
コラム「M&Aのデューデリジェンスにおける簿外債務(隠れ負債)の発見方法」

キャリアショップの店舗数、シェア

2019年3月に公表された株式会社MCAの調査によれば、大手キャリアショップの店舗数及びシェアは以下のようになっています。
□3キャリア(ワイモバイル、UQコミュニケーションズを含む5ブランド)が展開するキャリアショップは全国に8,173店舗(9ヶ月前の2018年6月に行われた調査と比較して168店舗減)
□ブランド別で店舗数が最も多いのはKDDI(au)の2,363店舗

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キャリアショップの店舗数を見ても、最近の携帯電話販売代理店の売上が減少傾向なのが見て取れます。
特に人口の減少が激しい郊外店はその傾向が顕著なようです。
また、経営者が高齢化し後継者がいないことからM&Aが行われることも多いようです。
M&Aをする際には、なぜ事業を売却するのかという理由を含め、マネジメントインタビューにより、会社の概要・事業内容、株主・組織体制・役員、財務・税務、法務、労務、ITなどの状況をしっかりとヒアリングする必要があります。
コラム「デューデリジェンスは必要なのか」
コラム「デューデリジェンスとマネジメントインタビュー」

直営店と代理店

ドコモショップ・auショップ・ソフトバンクショップといった携帯電話大手のキャリアショップは、どの店舗も見た目は統一されており直営店のような感じを受けますが、その大半は代理店です。
特に顕著なのがNTTドコモで、直営店のドコモショップは1店舗も存在しないようです。
NTTドコモが自ら旗艦店として位置付けている「ドコモショップ丸の内店」や「ドコモショップグランフロント大阪店」も、直営店ではなく代理店が運営しています。
例えば、「ドコモショップ丸の内店」は株式会社ドコモCSという販売代理店が、「ドコモショップグランフロント大阪店」はコネクシオ株式会社という販売代理店が運営しています。
KDDI(au)やソフトバンクにおいても、少数の直営店はありますが、大半の店舗は販売代理店が運営しています。
各通信キャリアとも、ショップ拡大時にリスクやコストを抑えながら出店スピードを上げるため、店舗運営は販売代理店に任せるという方法を採用したようです。
そのため、携帯電話販売代理店は大手企業のみならず地元企業がその地方のショップを営んでいるようなケースも多くあります。

このように、ほとんどすべての店舗が販売代理店であり小規模の代理店も多いことから、M&Aが行われやすくなっています。
店舗のみの売買であれば簡単な財務デューデリジェンス(財務DD)で足りますが、会社のM&Aとなれば財務DDに加えて法務デューデリジェンス(法務DD)なども必要になってきます。
コラム「デューデリジェンスの種類と必要な資格」

携帯電話販売代理店の種類

携帯電話販売代理店には、一次代理店、二次代理店、三次代理店などの種類があります。
通信キャリアと直接代理店契約を交わした代理店は一次代理店と呼ばれ、その一次代理店と契約を交わした代理店が二次代理店、同様に二次代理店と契約を交わした代理店が三次代理店というようになります。
同じ代理店でも一次代理店と三次代理店以下ではインセンティブ(販売奨励金)などの条件が大きく異なり、下位の代理店ほどインセンティブが低くなってしまいます。
携帯電話販売代理店の経営においては、どの代理店と契約できるかがとても重要な要素になっており、よりよい条件で代理店契約できるとその後の経営が楽になります。

このように、携帯電話販売代理店にはタテの繋がりもありますが、それに加えてヨコの繋がりもあります。
そのため、M&Aの仲介業者を通さずに、オーナー同士の極秘の話し合いでM&Aが行われることもあります。
そのような場合、オーナーから経理担当者に対して、突然M&Aにより事業を買う(売る)ことになったと言われることになり、迅速な対応が求められます。
コラム「経理担当者から見たM&Aのデューデリジェンスの流れと注意点」

携帯電話販売代理店業界のM&A最新情報

2019.10.23 「兼松コミュニケーションズ株式会社による日本テレホン株式会社株式の買付け」

大阪・東京の税理士法人MFMグループ
公認会計士・税理士 松浦