uriagesaiken-kaiten

売上債権回転期間とは何か

売上債権回転期間とは、売掛金や受取手形などの売上債権の回収が効率よく行われているかを見る指標であり、販売やサービスの提供を行ってからどのくらいの期間で回収されたかを表した指標です。
売掛金回転期間や受取勘定回転期間とも言われます。
日本政策金融公庫の指標では、受取勘定回転期間と言われています。

この売上債権回転期間は、一般的には「月数」で表されることが多いですが、回収が早い業種は「日数」で表す方が分かりやすと思います。
「月数」「日数」のどちらの単位を使うかは特に明確なルールはありません。
自社が管理しやすい単位を使っていれば問題ありません。

売上債権回転期間の計算式

計算式

売上債権回転期間(月)=売上債権÷売上高(月)
売上債権回転期間(日)=売上債権÷売上高(日)

売上債権

売上債権=売掛金+受取手形です。
上記の計算式の売上債権は、理論的には平均値(期首残高と期末残高の平均、又は年平均)を使うのが正しいとされています。
これは、売上債権はストック(貸借対照表)の概念であるのに対し、売上高はフロー(損益計算書)の概念であるためです。
異なる概念であるストックとフローとを比較する際には、ストックを平均値とすることによりフロー化し、フローとフローで比較する方がより正確な計算となります。
ただし、実務上は期末時点の売上債権の残高のみを使用して計算されることもありますので、あまり気にしなくてもよいかもしれません。

また、期末日が銀行が動いていない休日(土日祝)の場合、通常であれば期末日に入金される売上債権が、翌期の最初の営業日に入金されることがあります。
そのような場合には、1ヶ月分の売上債権を調整して計算する必要があります。

M&A(Mergers and Acquisitions)の財務デューデリジェンス(財務DD)を行う場合、売上債権回転期間を計算することにより、売上債権の残高が概ね適正かどうかを見ることができます。
ただし、売上債権をより細かく調査するには、得意先別に年齢調べを行い回収サイトを把握するとともに滞留している債権がないかどうかを1つずつ見ていく必要があります。
コラム「デューデリジェンスとは」
コラム「経理担当者から見たM&Aのデューデリジェンスの流れと注意点」

uriagesaiken-kaiten-keisan

売上債権回転期間の意味

売上債権回転期間は、その期間が短ければ短いほど販売やサービスを提供から回収されるまでの時間が短く、資金繰り的によいことを意味します。
逆にその期間が長い場合は回収が滞っている売上債権が存在しているか、押し込み販売によりすぐに回収できない売上債権が存在している可能性を示しています。
そのため、財務分析上、売上債権回転期間は短い方がよい評価になります。

資金繰りのみに焦点を当てると、掛け取引は極力せず、販売やサービスの提供を行った直後に回収され、回転期間は短い方がよいことになります。
しかし、業界の商慣行などがあることから、その業界で平均的な回転期間よりかなり短くした場合、会社の信頼性や取引に悪影響を及ぼすおそれがあります。
そのため、同業他社より低価格で販売しているような場合を除き、業界で平均的な回転期間にするのが一般的です。

売上債権回転期間の業種別適正水準

売上債権回転期間の適正な数値は業種によって異なります。
日本政策金融公庫の公表している業種別経営指標では、各業種の売上債権回転期間の平均は以下のようになっています。

業種期間
製造業1.8月
サービス業1.1月
卸売・小売業1.1月
建設業1.4月
情報通信業1.6月
運輸業1.5月
飲食店・宿泊業0.2月
医療・福祉1.3月
教育・支援業0.3月

M&Aを実施する際に他社の売上債権回転期間を分析する場合には、上図の業種別の売上債権回転期間が参考になるでしょう。
ただし、同じサービス業であっても美容業か物品賃貸業(リース業)かでもその期間は異なりますし、企業の経営戦略によっても適正な期間は異なってきます。

世の中には怪しい会社やビジネス、不正・違法な行為により利益を得ている会社が結構多くあり、粉飾決算をしている会社もあります。
粉飾された決算書の売上債権回転期間を分析しても何の意味もありません。
税理士法人MFMでは、M&Aや投資や取引をされる前にどのような会社なのかを調査するサービスを提供しています。

サービス案内「犯罪デューデリジェンス」
コラム「M&Aで買収先企業の社長の逮捕歴を調査することは可能か」

売上債権回転期間の改善方法

売上債権回転期間の改善方法売上債権回転期間はすぐに改善できるものではできません。
売主側から見ると回収サイトを短くすることはうれしいことですが、買主側から見ると支払サイトが短くなることであり不利になるためです。
販売している商品が人気商品であったり希少な商品であれば、回収サイトを短くする交渉は比較的容易にできるでしょう。
逆に、市場に多く出回っている商品であれば、回収サイトを短くする交渉は難しくなります。
売手と買手のパワーバランスも影響してきます。

得意先の資金繰りの問題でサイトを長くしてくれと依頼され、回収サイトが長くなってしまっている場合もあります。
このような売上債権は将来的に貸倒れてしまうおそれもあることから、M&Aの財務デューデリジェンス(財務DD)においては、回収可能性を判断するとともに貸倒引当金が適切に計上されているかどうかを判断することになります。
コラム「貸倒引当金の計算方法」
コラム「貸倒引当金の繰入と戻入の仕訳」

売上債権回転率とは何か

売上債権回転率は、回転期間と同様に売掛金や受取手形などの売上債権の回収が効率よく行われているかを見る指標であり、売上債権が何回転したかを表した指標です。

売上債権回転率=売上高÷売上債権

回転期間の計算式と比較すると、分母と分子が逆になっています。
そのため、この売上債権回転率は高いほど(早く回転するほど)よい評価になります。

税理士法人MFMの財務・税務デューデリジェンス

財務デューデリジェンス(財務DD)は財務諸表監査の知識と経験があり、財務的なリスクを見抜ける能力に長けている公認会計士に依頼する方が安心です。
税務デューデリジェンス(税務DD)は税の専門家である税理士に依頼するのがよいでしょう。
税理士法人MFMではM&Aのデューデリジェンスの経験が豊富な公認会計士・税理士の有資格者によるデューデリジェンスを行っています。
報酬も業界最安値水準になっています。
M&Aのデューデリジェンスの詳しいお見積りはお問い合わせ下さい。

大阪・東京の税理士法人MFMグループ
M&A財務デューデリジェンス(財務DD)部門