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情報通信業のROA(総資産利益率)

情報通信業の同業他社のROAを知りたいけれど知る方法がないと思われている方がおられるかもしれませんが、日本政策金融公庫が業種別経営指標というものを公表してくれており、その中に情報通信業の業種別の総資本経常利益率が記載されています。
ROAの計算方法については、コラム「ROA(総資産利益率)の業種別適正水準と改善方法」に記載しています。

情報通信業全体の総資本経常利益率の平均は表の一番上にある-5.0%ですが、最も高い業種は「情報提供サービス業」で10.0%、最も低い業種は「テレビ番組制作業」で-18.3%となっています。

自社の決算書から計算したROAと比較することにより、自社のROAが高いのか低いのかを判断する目安になると思います。

また、M&A(Mergers and Acquisitions)の財務デューデリジェンス(財務DD)を行う場合、ROAを計算することにより、企業の収益性を見ることができます。

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業種ROA
情報通信業-5.0%
通信業-10%
電気通信に附帯するサービス業-5.3%
放送業-0.5%
ラジオ放送業(衛星放送業を除く)-4.7%
情報サービス業0.2%
ソフトウェア業-0.4%
受託開発ソフトウェア業-0.5%
パッケージソフトウェア業1.2%
情報処理・提供サービス業3.3%
情報処理サービス業1.3%
情報提供サービス業10.0%
市場調査業-3.4%
インターネット附随サービス業-19%
映像・音声・文字情報制作業-12.4%
映像情報制作・配給業-11.7%
映画・ビデオ制作業 (テレビ番組制作業を除く)-6.4%
テレビ番組制作業-18.3%
映画・ビデオ・テレビ番組配給業-1.4%
音声情報制作業-8.3%
レコード制作業-10.9%
新聞業-5.3%
出版業-14.6%

(注)本コラムでは総資本経常利益率をROAとしています。
出典:日本政策金融公庫「業種別経営指標」(2018年8月公表)

M&Aを実施する際に他社のROAを分析する場合には、上図の業種別のROAが参考になるでしょう。
ただし、世の中には怪しい会社やビジネス、不正・違法な行為により利益を得ている会社が結構多くあり、粉飾決算をしている会社もあります。
粉飾された決算書のROAを分析しても何の意味もありません。
税理士法人MFMでは、M&Aや投資や取引をされる前にどのような会社なのかを調査するサービスを提供しています。

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ROA(総資産利益率)の改善方法

ROAを改善するには、分子である利益を改善する(増やす)か、分母である総資産を改善する(減らす)必要があります。

利益を改善する

付加価値の高い商品・サービスを提供することができれば利益が増加しますが、簡単に高付加価値のビジネスモデルを構築できれば事業経営で苦労することはありません。
ただし、新事業分野への進出等の新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等であれば、事業再構築補助金を受給することにより、付加価値の高い事業分野にシフトして利益を改善させることができます。

補助金額補助率
中小企業(通常枠)100万円以上6,000万円以下2/3
中小企業(卒業枠)※16,000万円超~1億円以下2/3
中堅企業(通常枠)100万円以上8,000万円以下1/2(4,000万円超は1/3)
中堅企業(グローバルV字回復枠)※28,000万円超~1億円以下1/2

サービス案内「事業再構築補助金」

売上高を増やして収益を増加させるのが難しいのであれば、費用である支出を抑えるしかありません。
小さな支出から1つ1つ見直しコストを低下させる必要があります。

総資産を改善する

無駄な資産を圧縮すれば総資産を減らすことができます。
同業他社と比べて在庫が多いようであれば在庫を減らすことができないかを検討する必要があります。
その際には、棚卸資産回転期間の分析が有効です。
コラム「棚卸資産回転期間の業種別適正水準と改善方法」
また、同業他社と比べて売掛金や受取手形が多いようであれば売上債権を減らすことができないかの検討が必要でしょう。
その際には、売上債権回転期間の分析が有効です。
コラム「売上債権回転期間の業種別適正水準と改善方法」
その他にも、遊休資産を売却するなど様々な資産圧縮により獲得した資金で借入金を返済すれば総資産を減少させることができます。

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