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ROE(自己資本利益率)とは何か

ROE(Return on Equity)とは、自己資本利益率のことであり、自己資本に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示した財務分析の指標です。
自己資本をどれだけ効率的に利用して利益を獲得したかは、ROE(自己資本利益率)を分析をすることにより分かります。
読み方は「アールオーイー」です。

ROE(自己資本利益率)の計算式

計算式

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

当期純利益

ROEの計算で用いる「当期純利益」は、税引後当期純利益のことです。
税引前当期純利益か税引後当期純利益か迷いそうですが、有価証券報告書においては「当期純利益」は税引後当期純利益のことを意味します。

自己資本

上記の計算式の自己資本は、平均値(期首残高と期末残高の平均、又は年平均)を使うのが正しいとされています。
これは、自己資本はストック(貸借対照表)の概念であるのに対し、当期純利益はフロー(損益計算書)の概念であるためです。
異なる概念であるストックとフローとを比較する際には、ストックを平均値とすることによりフロー化し、フローとフローで比較する方がより正確な計算となります。

ROE(自己資本利益率)の意味

投資家が求めるものは果実であり、投資に対しどれだけの果実を獲得できたのかというのが最も重要な事項になります。
投資家からの投資額は、会社の貸借対照表の自己資本に計上されます。
また、株主へ配当するこが可能な資金の原資は毎期の税引後の利益です。
つまり、ROEは、投資家から見ると投資に対してどれだけの果実を獲得したかを意味し、投資尺度として最も重要視されている財務指標です。

ROEが高い会社に投資をすれば投資家は高いリターンを獲得することができます。
逆に、ROEが低い会社に投資をしてしまえば投資家は低いリターンしか獲得できません。
2014年の生命保険協会の調査でも、経営目標として企業が重視することが望ましい指標としては「ROE」と回答する投資家が93.0%と最も高くなっています。

M&A(Mergers and Acquisitions)の財務デューデリジェンス(財務DD)を行う場合、ROEを計算することにより、投資の収益性を見ることができます。
コラム「デューデリジェンスとは」
コラム「経理担当者から見たM&Aのデューデリジェンスの流れと注意点」

最近では、ROE(自己資本利益率)にESG(環境・社会・企業統治)を合わせた「ROESG」という指標が今後重要になるとも言われています。

ROE(自己資本利益率)の改善方法

ROEの計算式は3つに分解することができます。
ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ
※売上高当期純利益率 = 当期純利益 ÷ 売上高
※総資産回転率 = 売上高 ÷ 総資産
※財務レバレッジ = 総資産 ÷ 自己資本

そのため、ROEを上げるには
1.売上高当期純利益率を上げる
2.総資産回転率を上げる
3.財務レバレッジを上げる
の3つの方法があります。

つまり
1.より高付加価値の商品販売・サービス提供を行う
2.より早い投資と回収を行う
3.借入金などの他人資本をより多く利用する
ことによりROEを改善することができます。

ROEとROAの意味と違い

ROE(Return on Equity)は、投資家からの視点で、投資に対してどれだけの果実を獲得したかという投資尺度としての財務指標でした。
これに対し、ROA(Return on Asset)は、企業全体の視点で、企業活動としてどれだけの果実を獲得したかという企業の収益性を測る尺度としての財務指標です。
コラム「ROA(総資産利益率)とは」

ROEにはレバレッジ効果があり、他人資本の利用の多寡によりROEが変動します。
事業が好調な場合にはレバレッジ効果がプラスに働きROEを上昇させますが、不調な場合には逆にマイナスに働きROEを下落させるというリスクがあります。
この点、ROAは他人資本の利用の影響を受けないため、企業の収益性の底力を見ることができます。

ROE(自己資本利益率)の業種別適正水準

一般的には、ROE(自己資本利益率)は10%以上あればよい会社であると言われていますが、業種や会社規模によっても異なります。
有価証券報告書の記載様式を定めている「企業内容等の開示に関する内閣府令」において、自己資本利益率を記載することとされているため、有価証券報告書で確認することもできます。

大企業のROE(自己資本利益率)の目安

同業他社のROEを知りたいけど知る方法がないと諦めている方がおられるかもしれませんが、経済産業省が企業活動基本調査を実施しておりその調査結果を公表してくれています。
その中に業種別の当期純利益と純資産が開示されています。
自己資本と純資産は少し異なる部分がありますが多くの会社においては一致するため、この純資産と当期純利益を用いることによって業種別のROEの目安を簡便的に算定することができます。
この調査の対象は、従業者50人以上かつ資本金又は出資金3,000万円以上の会社となっています。

製造業、卸売,小売業、サービス業のROE(自己資本利益率)の目安については、下記のコラムをご参照下さい。
コラム「製造業のROE(自己資本利益率)の目安」
コラム「卸売,小売業のROE(自己資本利益率)の目安」
コラム「サービス業のROE(自己資本利益率)の目安」

製造業、卸売,小売業、サービス業、情報通信業以外の業種のROEの目安は下記に記載しています。

業種ROE
 鉱業、採石業、砂利採取業3.5%
 電気・ガス業5.9%
  331 電気業6.2%
  341 ガス業4.8%
 クレジットカード業、割賦金融業2.8%
 物品賃貸業8.7%
  702 産業用機械器具賃貸業(レンタルを含む)8.4%
  703 事務用機械器具賃貸業(レンタルを含む)10.4%
  704 自動車賃貸業(レンタルを除く)10.4%
  705 スポーツ・娯楽用品賃貸業(レンタルを含む)1.0%
  708 その他の物品賃貸業(レンタルを含む)6.8%
 学術研究、専門・技術サービス業4.9%
  710 学術・開発研究機関14.7%
  726 デザイン業14.4%
  728 エンジニアリング業-11.5%
  730 広告業11.4%
  743 機械設計業10.9%
  744 商品・非破壊検査業10.1%
  745 計量証明業11.0%
  746 写真業4.8%
その他の産業11.9%

(注)純資産と当期純利益を用いて簡便的に計算しています。
(注)小数第2位を四捨五入しています。
経済産業省「2019年企業活動基本調査確報-平成30年度実績-」から算定。

中小企業のROE(自己資本利益率)の目安

中小企業庁が中小企業実態基本調査を実施しておりその調査結果を公表してくれています。
その中に業種別のROEも開示されており、全業種のROEの平均は10.06%となっています(平成30年確報)

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